生活介護の報酬は、障害支援区分・利用定員・時間区分で決まる基本報酬に、職員の配置、利用者の状態、時間と送迎に応じた加算を足して組み立てます。金額が大きいのは人員配置体制加算(1日33〜321単位)と重度障害者支援加算(1日50〜360単位)で、この2つを取れているかが収入を大きく左右します。

この記事は、令和6年度報酬改定・令和8年6月の見直しにもとづく内容です。単位数は厚生労働省の報酬算定構造、要件は障害福祉サービスの留意事項通知(平成18年障発第1031001号、令和8年5月28日改正を反映)で確かめました。令和8年6月の告示改正で生活介護について変わったのは、福祉・介護職員等処遇改善加算の加算率です。


1. 基本報酬と時間区分

基本報酬は、障害支援区分(区分6〜区分2以下)、利用定員(10段階)、時間区分(3時間未満から9時間未満までの1時間刻み)の組み合わせで決まります。例えば定員5人以下・区分6では、7時間以上8時間未満で1日1,672単位です。

時間区分は、実際にかかった時間ではなく、生活介護計画に位置づけた標準的な時間で決まり、送迎の時間は原則として含みません。留意事項通知は次の例外を定めています。

  • 道路状況や本人の体調などやむを得ない事情で短くなった日は、計画の標準的な時間で算定してよい
  • 送迎が往復3時間以上になる場合は、1時間を標準的な時間に加えられる
  • 医療的ケアが必要な人、重症心身障害者、行動関連項目10点以上の人などで短時間の利用にならざるを得ない場合は、受け入れの準備や申し送りに実際にかかった時間を1日2時間以内で加えられる
  • 送迎時に居宅内で行った介助(着替え、移乗、戸締りなど)は、計画に位置づけて1日1時間以内で加えられる

計画の時間と実際の提供時間が合わない状態が続くときは、生活介護計画を見直します。


2. 体制で取る加算

加算単位数(1日)要点
人員配置体制加算(Ⅰ)1.5:1 定員20人以下321 〜(Ⅳ)2.5:1 定員61人以上33直接支援の職員の配置比率。(Ⅰ)〜(Ⅲ)は重度の利用者の割合も要件
福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)15、(Ⅱ)10、(Ⅲ)6資格者・常勤・勤続年数の割合。生活介護では(Ⅲ)を(Ⅰ)(Ⅱ)と併せて算定できる
常勤看護職員等配置加算定員5人以下32 〜 81人以上6看護職員を常勤換算1人以上。常勤換算の人数(小数点以下切り捨て)を単位数に掛ける
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅰ)51、(Ⅱ)41身体障害者手帳1・2級の視覚障害など、重度の視覚・聴覚・言語機能障害のある利用者を支援する体制
高次脳機能障害者支援体制加算41高次脳機能障害の利用者を支援する体制。都道府県の高次脳機能障害支援養成研修などの修了者の配置が要件
就労移行支援体制加算定員20人以下42 〜 81人以上6(1人あたり)前年度に一般就労して6か月以上続いた人の数を掛ける

人員配置体制加算の区分と配置比率の計算は生活介護の人員配置体制加算、福祉専門職員配置等加算の要件は福祉専門職員配置等加算とは、就労移行支援体制加算の数え方は就労移行支援体制加算の計算で整理しています。


3. 利用者の状態で取る加算

加算単位数要点
重度障害者支援加算(Ⅰ)1日50重症心身障害者を支援する体制。人員配置体制加算(Ⅰ)か(Ⅱ)、常勤看護職員等3人以上などが要件
重度障害者支援加算(Ⅱ)1日360区分6かつ行動関連項目10点以上の利用者。加配、実践研修修了者1人以上、生活支援員の20%以上が基礎研修修了者
重度障害者支援加算(Ⅲ)1日180区分4以上かつ行動関連項目10点以上の利用者((Ⅱ)の対象者を除く)
リハビリテーション加算(Ⅰ)48、(Ⅱ)20個別支援計画の一環として、リハビリテーション実施計画にもとづいて行う
入浴支援加算1日80医療的ケアが必要な人や重症心身障害者への入浴の支援
喀痰吸引等実施加算1日30喀痰吸引等の実施
栄養スクリーニング加算5(6か月に1回まで)栄養状態の確認
栄養改善加算200(月2回まで)管理栄養士(事業所の職員か外部)と連携した栄養改善の支援
集中的支援加算1,000(月4回まで)強度行動障害の利用者の状態が悪化したとき、広域的支援人材が訪問やオンラインで集中的に支援する

重度障害者支援加算(Ⅰ)を算定する事業所では、(Ⅱ)(Ⅲ)は算定できません。(Ⅱ)(Ⅲ)には次の上乗せがあります。

  • 中核的人材を配置し、行動関連項目18点以上の利用者を支援した場合:1日150単位を加算
  • 加算の算定を始めた日から180日以内:(Ⅱ)は1日500単位、(Ⅲ)は1日400単位を加算。18点以上の利用者はさらに1日200単位を加算

18点以上の上乗せは、中核的人材養成研修を修了した人の配置が前提です。研修の受講状況と対象者の点数を、届出の前に一覧にしておきます。


4. 時間・送迎・受け入れで取る加算

加算単位数要点
延長支援加算9〜10時間100、10〜11時間200、11〜12時間300、12時間以上400(1日)送迎を除いた実際の支援の時間で数え、延長時間帯に直接支援の職員を1人以上置く
送迎加算(Ⅰ)片道21、(Ⅱ)片道10(Ⅰ)は一定の条件で片道28単位を上乗せ。同じ敷地内の送迎は70%
食事提供体制加算1日30原則として事業所の調理室で調理した食事の提供(衛生上の措置をとったクックチルなどの搬入も可)
初期加算1日30利用開始から暦日で30日の間の、実際に利用した日
欠席時対応加算1回94(月4回まで)前々日・前日・当日に中止の連絡を受け、電話などで状況を確かめて相談援助をし、記録を残す
訪問支援特別加算1時間未満187、1時間以上280(1回、月2回まで)おおむね3か月以上利用していた人が中5日間以上続けて利用しなかったとき、居宅を訪ねて支援する
利用者負担上限額管理加算月150上限額管理を行った場合
緊急時受入加算1日100市町村から地域生活支援拠点等に位置づけられた事業所で、連携担当者を置いて緊急時に受け入れる
障害福祉サービスの体験利用支援加算(Ⅰ)500、(Ⅱ)250(1日)障害者支援施設の利用者が地域移行に向けて体験的な利用をするときの施設職員の支援。地域生活支援拠点等は(Ⅰ)に50単位を上乗せ

送迎加算の「一定の条件」と生活介護・B型での違いは送迎加算の単位数と要件で整理しています。


5. 処遇改善加算(令和8年6月から)

福祉・介護職員等処遇改善加算は、基本報酬と各加算の合計に加算率を掛けます。生活介護の加算率は次のとおりです(障害者支援施設が行う場合は別の率です)。

区分令和6年度改定令和8年6月から
(Ⅰ)8.1%イ9.3%、ロ9.7%
(Ⅱ)8.0%イ9.2%、ロ9.6%
(Ⅲ)6.7%7.9%
(Ⅳ)5.5%6.7%

生活介護は、令和8年度の処遇改善の応急の特例の対象になっていません。取り方は福祉・介護職員等処遇改善加算の解説を見てください。


6. 取りこぼしを見つける手順

  1. 利用者の区分と行動関連項目の点数を一覧にする:区分5・6と、区分4以下で行動関連項目10点以上の人、18点以上の人を数える
  2. 前年度の平均利用者数と直接支援の職員の常勤換算数を出す:人員配置体制加算の区分が上がらないか確かめる
  3. 研修の受講状況を確かめる:実践研修、基礎研修、中核的人材養成研修の修了者を数え、重度障害者支援加算の要件と照らす
  4. 生活介護計画の標準的な時間を見直す:実際の提供時間とずれていないか、例外の時間を位置づけられる利用者がいないかを確かめる
  5. 体制届を出す:算定を始める月の前月15日までに届け出れば翌月から、16日以降なら翌々月から算定できます(留意事項通知 第一の1の(4))。前年度の実績で決まる加算は、4月中に届け出れば4月から算定できる扱いです(同(5))

様式と添付書類は指定権者ごとに違うので、指定権者の案内で確かめてください。


7. 落とし穴

  • 送迎の時間を時間区分に入れている:原則として含みません。例外は留意事項通知の要件に当てはまる場合だけです。
  • 延長支援加算を計画の時間で数えている:延長支援加算は、送迎を除いた実際の支援の時間で数えます。
  • 重度障害者支援加算(Ⅰ)と(Ⅱ)(Ⅲ)を併せて算定している:(Ⅰ)を算定する事業所では(Ⅱ)(Ⅲ)は算定できません。
  • 減算を見落としている:身体拘束廃止未実施や虐待防止措置未実施などの減算は、障害福祉の減算一覧で確かめてください。

8. まとめ

  • 生活介護の基本報酬は区分・定員・時間区分で決まり、時間区分は生活介護計画の標準的な時間で数える
  • 大きいのは人員配置体制加算と重度障害者支援加算。行動関連項目18点以上の利用者には1日150単位の上乗せがある
  • 令和8年6月の見直しで変わったのは処遇改善加算の率で、ほかの単位数は令和6年度改定のまま

9. 参考資料