夜間支援等体制加算は、グループホームの夜間の体制を評価する加算で、夜勤で1人が受け持つ利用者が少ないほど、区分が重いほど単位数が上がります。区分4以上の利用者を2人以下で受け持つ夜勤なら1日672単位、宿直なら4人以下で1日112単位、連絡体制だけなら1日10単位と、同じ「夜間の体制」でも差が大きく、夜勤・宿直・連絡体制のどれで組むかが収入を左右します。
この記事は、令和6年度報酬改定・令和8年6月の見直しにもとづく内容です。単位数は厚生労働省の報酬算定構造、要件は留意事項通知(平成18年障発第1031001号、令和8年5月28日改正を反映)の共同生活援助の⑭で確かめました。令和8年6月の告示改正で夜間支援等体制加算の単位数は変わっていません(改正の全体は令和8年度の期中改定の記事で整理しています)。
1. 6つの区分の仕組み
夜間支援等体制加算は、介護サービス包括型と外部サービス利用型の加算です。日中サービス支援型は基準で住居ごとに夜間支援従事者を置くため対象外で、夜間の加配は夜勤職員加配加算(1日149単位)で評価します。
| 区分 | 体制 | 単位数の決まり方 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 夜勤を行う夜間支援従事者を配置 | 夜間支援対象利用者の数と区分 |
| (Ⅱ) | 宿直を行う夜間支援従事者を配置 | 夜間支援対象利用者の数 |
| (Ⅲ) | 夜間防災体制または常時の連絡体制 | 1日10単位 |
| (Ⅳ) | (Ⅰ)に加えて事業所単位で夜勤を加配 | 夜間支援対象利用者の数 |
| (Ⅴ) | (Ⅰ)に加えて夜間の一部の時間帯に夜勤を加配 | 夜間支援対象利用者の数 |
| (Ⅵ) | (Ⅰ)に加えて事業所単位で宿直を加配 | 夜間支援対象利用者の数 |
「夜間及び深夜の時間帯」は、住居ごとに利用者の生活サイクルに応じて、1日の活動の終了時刻から開始時刻までを基本に設定し、午後10時から翌日の午前5時までを最低限含むことが必要です。
2. 単位数の表
夜間支援等体制加算(Ⅰ)(夜勤、1日)
| 夜間支援対象利用者の数 | 区分4以上 | 区分3 | 区分2以下 |
|---|---|---|---|
| 2人以下 | 672 | 560 | 448 |
| 3人 | 448 | 373 | 299 |
| 4人 | 336 | 280 | 224 |
| 5人 | 269 | 224 | 179 |
| 6人 | 224 | 187 | 149 |
| 7人 | 192 | 160 | 128 |
| 8人 | 168 | 140 | 112 |
| 9人 | 149 | 124 | 99 |
| 10人 | 135 | 113 | 90 |
| 15人 | 90 | 75 | 60 |
| 20人 | 67 | 56 | 45 |
| 30人 | 45 | 38 | 30 |
11〜29人の単位数も1人刻みで定められています。報酬算定構造で確かめてください。
夜間支援等体制加算(Ⅱ)(宿直、1日)
| 夜間支援対象利用者の数 | 単位数 |
|---|---|
| 4人以下 | 112 |
| 5人 | 90 |
| 6人 | 75 |
| 7人 | 64 |
| 8人 | 56 |
| 10人 | 45 |
| 15人 | 30 |
| 20人 | 22 |
| 30人 | 15 |
加配の区分(1日)
| 夜間支援対象利用者の数 | (Ⅳ)夜勤 | (Ⅴ)一部時間帯の夜勤・(Ⅵ)宿直 |
|---|---|---|
| 15人以下 | 60 | 30 |
| 20人 | 45 | 22 |
| 25人 | 36 | 18 |
| 30人 | 30 | 15 |
3. 算定の要件
配置と受け持てる範囲
- 夜間支援従事者は、支援する利用者が住む共同生活住居に配置します(サテライト型住居を除く)
- 1人で複数の住居を受け持つ場合は、住居の間がおおむね10分程度で駆けつけられる距離にあること、利用者の呼び出しに応じられる連絡手段があること、少なくとも一晩に1回は各住居を巡回することが求められます
- 1人が受け持てるのは、複数の住居で合計20人まで・5か所まで(サテライト型住居は本体住居と合わせて1か所と数えます)。1か所の住居だけを受け持つ場合は30人までです
勤務の形
- 常勤・非常勤は問いません。世話人・生活支援員以外の人に夜間の支援を委託しても差し支えありません
- 障害者支援施設や病院の夜勤・宿直と兼ねている人は対象外です。併設型・空床型の短期入所の職員が兼ねることは認められています
- 夜間の支援の内容は、共同生活援助計画に位置づけます。書き方はグループホームの個別支援計画の記事を参考にしてください
(Ⅲ)の連絡体制
- 夜間防災体制は、警備会社と住居の警備業務の委託契約を結んでいる場合です
- 常時の連絡体制は、携帯電話などで利用者の呼び出しに速やかに応じられる体制で、運営規程に定めて利用者に周知しておく必要があります
4. 夜間支援対象利用者の数え方
夜間支援対象利用者の数は、今入居している人数ではなく、前年度の利用者の延べ数を開所日数で割った数で、小数点第1位を四捨五入します。留意事項通知の例では、5人定員の住居で前年度の延べ数が1,570人、開所日数が365日なら、1,570÷365=4.4で4人として単位数を決めます。
1か所の住居に2人以上の夜間支援従事者がいる場合は、それぞれが実際に支援する利用者の数で人数を按分します。
5. 打ち手:夜間の組み方を見直す手順
- 住居ごとに今の体制を書き出す:夜勤か宿直か連絡体制か、1人が何か所・何人を受け持っているか
- 利用者の区分を並べる:(Ⅰ)は区分4以上・区分3・区分2以下で単位数が違います。区分の変更があれば反映します
- 前年度の延べ数から人数を出す:4月の体制届の前に、前年度の実績で夜間支援対象利用者の数を計算し直します
- 夜勤と宿直の差を比べる:例えば区分4以上の4人の住居なら、夜勤の(Ⅰ)は1日336単位、宿直の(Ⅱ)は1日112単位です。人件費の差と比べて判断します
- 加配を検討する:(Ⅰ)の夜勤が1人だけ常駐する住居では、(Ⅳ)〜(Ⅵ)で事業所単位の加配を評価できます
- 体制届を出す:届出の締切と添付書類は指定権者ごとに違うため、指定権者の案内で確かめてください
グループホームのほかの加算は共同生活援助の加算一覧でまとめています。
6. 落とし穴
- (Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)を同じ住居の利用者に重ねている:夜勤の夜間支援従事者が支援する住居の利用者は(Ⅱ)(Ⅲ)を算定できず、宿直の住居の利用者は(Ⅰ)(Ⅲ)を算定できません。
- (Ⅳ)〜(Ⅵ)を(Ⅰ)なしで算定している:加配の区分は、(Ⅰ)を算定している利用者への上乗せです。(Ⅳ)(Ⅴ)(Ⅵ)どうしも併せて算定できません。
- 現員の人数で単位数を選んでいる:単位数は前年度の延べ数から出した人数で決まります。満床の住居でも、前年度の稼働が低ければ人数は少なくなります。
- 巡回の記録が無い:複数の住居を受け持つ場合の一晩1回以上の巡回は、運営指導で記録を求められます。
7. まとめ
- 夜間支援等体制加算は包括型・外部型の加算で、日中型は夜勤職員加配加算で評価する
- 単位数は夜勤か宿直か、1人が受け持つ人数、区分で決まり、人数は前年度の延べ数÷開所日数で数える
- 1人が受け持てるのは複数住居で20人・5か所まで、1か所だけなら30人まで。複数住居なら一晩1回以上巡回する
8. 参考資料
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」
- 厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について」
- 厚生労働省「留意事項通知の新旧対照表(令和8年5月28日改正)」
- e-Gov法令検索「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)」