生活介護の人員配置体制加算は、従業者の常勤換算数が「前年度の平均利用者数 ÷ 1.5(1.7、2、2.5)」以上かで区分が決まり、(Ⅰ)〜(Ⅲ)は区分5・6とこれに準ずる者が利用者の60%((Ⅲ)は50%)以上であることも要件です。定員20人以下なら1日51〜321単位を利用者全員について算定できるので、生活介護の加算のなかで最も金額の大きいものの1つです。
この記事は、令和6年度報酬改定・令和8年6月の見直しにもとづく内容です。単位数は厚生労働省の報酬算定構造、要件は障害福祉サービスの留意事項通知(平成18年障発第1031001号、令和8年5月28日改正を反映)で確かめました。令和8年6月の告示改正で、この加算の単位数は変わっていません。
1. 区分と単位数
| 区分 | 配置比率 | 区分5・6と準ずる者の割合 | 定員20人以下 | 21〜60人 | 61人以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| (Ⅰ) | 1.5:1 | 60%以上 | 321 | 263 | 245 |
| (Ⅱ) | 1.7:1 | 60%以上 | 265 | 212 | 197 |
| (Ⅲ) | 2:1 | 50%以上 | 181 | 136 | 125 |
| (Ⅳ) | 2.5:1 | 要件なし | 51 | 38 | 33 |
単位数は利用者1人1日あたりです。(Ⅰ)〜(Ⅳ)はいずれか1つだけを算定します。加算は生活介護の単位ごとに、その単位の利用定員に応じた単位数を、利用者全員について算定します(告示で定める一部の利用者を除きます)。
2. 「これに準ずる者」
留意事項通知では、区分5・6の人に加えて、次の人を「これに準ずる者」として割合に数えます。
- 区分4以下で、行動関連項目の合計点数が10点以上の人
- 区分4以下で、喀痰吸引等を必要とする人
割合の要件は、指定生活介護事業所と共生型生活介護事業所にかかります。共生型では、共生型生活介護の利用者と、同じ事業所で行う児童発達支援・通所介護・小規模多機能型居宅介護など(共生型本体事業)の利用者を合わせた数に対する割合で見ます。指定障害者支援施設等が行う生活介護には割合の要件はなく、配置比率だけです。
割合をいつの時点の利用者で見るか(前年度の実績か、届出時点の利用者か)は指定権者によって確かめ方が違うことがあるので、届出前に確認してください。
3. 前年度の平均利用者数の出し方
配置比率の分母になる「利用者の数」は、前年度の平均利用者数です。留意事項通知は、時間区分に応じて次の重みを付けて数えるとしています。
| 算定した基本報酬の時間区分 | 数え方 |
|---|---|
| 3時間未満、3〜4時間、4〜5時間 | 利用者数 × 1/2 |
| 5〜6時間、6〜7時間 | 利用者数 × 3/4 |
| 7時間以上 | 利用者数 × 1 |
前年度平均利用者数 = 前年度の重み付きの利用者延べ数 ÷ 開所日数(小数点第2位以下を切り上げ)
例えば、前年度の開所日数が240日で、7時間以上の利用が延べ3,600人日、5〜6時間の利用が延べ480人日、4〜5時間の利用が延べ240人日だった場合は次のとおりです。
- 3,600 + 480 × 3/4 + 240 × 1/2 = 3,600 + 360 + 120 = 4,080
- 4,080 ÷ 240日 = 17.0人
4. 必要な職員数
平均利用者数17.0人の場合、区分ごとに必要な従業者の常勤換算数は次のとおりです。
| 区分 | 計算 | 必要な常勤換算数 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 17.0 ÷ 1.5 | 11.33…人以上 |
| (Ⅱ) | 17.0 ÷ 1.7 | 10.0人以上 |
| (Ⅲ) | 17.0 ÷ 2 | 8.5人以上 |
| (Ⅳ) | 17.0 ÷ 2.5 | 6.8人以上 |
生活介護の人員基準で置く職員は、報酬算定構造の減算の欄にあるとおり、看護職員・理学療法士または作業療法士・生活支援員です。加算の「従業者」にどの職種まで含めるか(サービス管理責任者や医師を数えるかなど)は、指定権者に確認してから計算してください。
5. 区分を上げたときの収支
例えば定員20人以下・1日平均17人・月22日開所で、(Ⅱ)から(Ⅰ)に上げる場合です。
- 単位数の差:321 − 265 = 56単位
- 月の増収:56 × 17人 × 22日 = 20,944単位(1単位10円で約21万円)
- 必要な職員の増加:10.0人 → 11.33…人で、常勤換算で約1.4人
(Ⅲ)から(Ⅱ)に上げる場合は、単位数の差が84単位で、同じ条件で月31,416単位(約31万円)です。必要な職員は8.5人から10.0人で、常勤換算1.5人の増加です。
1単位の円換算は地域区分で変わります。増収と増える人件費を並べ、さらに処遇改善加算が基本報酬と加算の合計に掛かる分も見込んで判断します。区分5・6と準ずる者の割合が要件を下回っていると、職員を増やしても(Ⅰ)〜(Ⅲ)は取れないので、先に割合を確かめます。
6. 届出までの手順
- 利用者の区分と行動関連項目の点数を一覧にする:区分5・6、区分4以下で10点以上、区分4以下で喀痰吸引等が必要な人を数え、割合を出す
- 前年度の平均利用者数を出す:時間区分ごとの延べ人数に重みを付け、開所日数で割る
- 従業者の常勤換算数を出す:勤務形態一覧表から、加算に数える職種の常勤換算数を合計する
- 区分を決める:配置比率と割合の両方を満たす一番上の区分を選ぶ
- 体制届を出す:算定を始める月の前月15日までに届け出れば翌月から、16日以降なら翌々月から算定できます(留意事項通知 第一の1の(4))。前年度の実績で決まる加算は、4月中の届出で4月から算定できる扱いです(同(5))
新規の事業所は、開始時の利用者数などの推計で要件を満たせば算定できます。様式は指定権者ごとに違うので、指定権者の案内で確かめてください。
7. 落とし穴
- 短時間の利用者を1人で数えている:重みを付けずに数えると平均利用者数が大きくなり、取れるはずの区分を取り逃がします。
- 年度途中で職員が減ったのに届け出ていない:配置比率を下回った場合の取り下げの時期は、指定権者に確認してください。運営指導では勤務形態一覧表と出勤簿で確かめられます。準備は実地指導(運営指導)の準備を見てください。
- 福祉専門職員配置等加算と混同している:人員配置体制加算は人数の比率、福祉専門職員配置等加算は資格や勤続年数を評価する加算です。要件は福祉専門職員配置等加算とはで確かめてください。
- 人員基準そのものを下回っている:加算の前に、基準を下回ると減算になります。障害福祉の減算一覧で確かめてください。
8. まとめ
- 人員配置体制加算は、従業者の常勤換算数が前年度の平均利用者数の1/1.5〜1/2.5以上かで(Ⅰ)〜(Ⅳ)が決まる
- (Ⅰ)(Ⅱ)は区分5・6と準ずる者が60%以上、(Ⅲ)は50%以上。(Ⅳ)と障害者支援施設は割合の要件なし
- 平均利用者数は、3〜5時間の区分を1/2、5〜7時間を3/4で数える
生活介護で取れるほかの加算は生活介護の加算一覧で整理しています。
9. 参考資料
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」
- 厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について」
- 厚生労働省「留意事項通知の新旧対照表(令和8年5月28日改正)」