日中サービス支援型グループホームは、常時介護を要する人に、昼も夜も途切れない支援体制を確保する共同生活援助の類型です。世話人は利用者5人に1人以上(包括型は6人に1人)、住居ごとに夜勤の夜間支援従事者を置き、短期入所を併設します。基本報酬は区分6で1日997単位と包括型(600単位)より高い一方、人員と設備の基準が重く、地域連携推進会議への報告などの運営の義務もあります。
この記事は、令和6年度報酬改定・令和8年6月の見直しにもとづく内容です。人員・設備・運営は指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)の第213条の2〜第213条の11、単位数は厚生労働省の報酬算定構造、加算の要件は留意事項通知(令和8年5月28日改正を反映)で確かめました。
1. 3つの類型の違い
| 項目 | 介護サービス包括型 | 日中サービス支援型 | 外部サービス利用型 |
|---|---|---|---|
| 介護を行う人 | 事業所の職員 | 事業所の職員 | 委託した居宅介護事業所 |
| 世話人 | 利用者6人に1人以上 | 日中は利用者5人に1人以上 | 利用者6人に1人以上 |
| 夜間の体制 | 基準の定めなし(夜間支援等体制加算で評価) | 住居ごとに夜勤の夜間支援従事者を1人以上 | 基準の定めなし(夜間支援等体制加算で評価) |
| 短期入所 | 任意 | 併設事業所または単独型事業所で行う | 任意 |
| 基本報酬(区分6) | 600単位 | 997単位 | 171単位(別に受託居宅介護サービス費) |
生活支援員(外部サービス利用型には置かない)の配置は、包括型も日中型も、区分3の利用者を9で、区分4を6で、区分5を4で、区分6を2.5で割った数の合計以上です。日中型ではこの配置を夜間及び深夜以外の時間帯に確保し、夜間は住居ごとの夜間支援従事者で支えます。サービス管理責任者は利用者30人以下で1人以上です。
2. 日中サービス支援型の基準
人員(第213条の4)
- 世話人:夜間及び深夜以外の時間帯に、常勤換算で利用者数÷5以上
- 生活支援員:夜間及び深夜以外の時間帯に、区分ごとの利用者数を9・6・4・2.5で割った数の合計以上
- 夜間支援従事者:共同生活住居ごとに、夜間及び深夜の時間帯を通じて1人以上。夜勤を行う世話人または生活支援員で、宿直は含みません
- 従業者のうち1人以上は常勤。利用者数は前年度の平均値(新規指定は推定数)
設備(第213条の6)
- 住宅地または同程度に地域と交流できる場所にあり、入所施設や病院の敷地の外にあること
- 事業所の入居定員の合計は4人以上。住居の定員は2人以上10人以下で、独立性が確保されていれば1つの建物に複数の住居を設けられるが、1つの建物の定員の合計は20人以下
- 既存の建物を使う場合は住居の定員を20人以下(都道府県知事が特に必要と認める場合は30人以下)にできる
- ユニットの定員は2人以上10人以下。居室は原則1人で、面積は収納設備等を除いて7.43平方メートル以上
運営(第213条の7〜第213条の10)
- 短期入所(併設事業所または単独型事業所)を同時に行う
- 常時1人以上の従業者を介護または家事等に従事させる。利用者の負担で事業所の従業者以外の人の介護を受けさせてはならない
- 地域連携推進会議をおおむね1年に1回以上開き、運営の状況を報告して要望・助言を聴く。構成員が事業所を見学する機会も年1回以上設け、記録を作って公表する
- 協議会(自立支援協議会)等に定期的に事業の実施状況を報告し、評価や助言を受け、その記録を整える
3. 基本報酬と主な加算
基本報酬(1日)
| 区分 | 日中サービス支援型(Ⅰ) | 日中を住居以外で過ごす場合 | 体験利用(Ⅱ) |
|---|---|---|---|
| 区分6 | 997 | 765 | 1,168 |
| 区分5 | 860 | 627 | 1,028 |
| 区分4 | 771 | 539 | 938 |
| 区分3 | 524 | 407 | 672 |
| 区分2 | - | 270 | - |
| 区分1以下 | - | 253 | - |
入居定員が8人以上の住居には大規模住居等減算(8〜20人で100分の95、21人以上で100分の93)がかかります。
日中型ならではの加算
- 夜勤職員加配加算(1日149単位):基準の夜間支援従事者に加えて、夜勤を1人以上配置した場合。加配する人はその住居に専従で、複数の住居や他の事業所の夜間業務を兼ねると算定できません。ただし、併設の短期入所の従業者が兼ねることは認められています
- 人員配置体制加算:日中型は区分と日中を過ごす場所で単位数が分かれ、7.5:1の加配で区分4以上1日138単位、区分3で121単位などです
- 包括型・外部型の夜間支援等体制加算は、日中型では算定できません
重度障害者支援加算、医療的ケア対応支援加算、日中支援加算など、類型をまたいで取れる加算は共同生活援助の加算一覧で整理しています。
4. 令和8年6月からの変更
令和8年6月1日以降に新たに指定を受けた日中サービス支援型は、令和9年度報酬改定までの間、基本報酬に1000分の972を掛けます(令和8年こども家庭庁・厚生労働省告示第5号)。既存の事業所の単価は変わりません。特別地域加算の対象地域の事業所や、都道府県知事が特に必要と認めた事業所は対象外です。また、重度障害者支援加算・医療的ケア対応支援加算・医療連携体制加算(Ⅳ)を算定する利用者がいる月などは従来の単価になります。制度の全体は令和8年度の期中改定の記事で確かめてください。
処遇改善加算の率は、令和8年6月から包括型と同じくⅠイ16.3%〜Ⅳ12.1%です。
5. 開設・類型変更を判断する手順
- 利用者像を決める:区分4以上で日中も住居で過ごす人が多いか、日中は外の事業所に通う人が多いかで、報酬の組み立てが変わります
- 夜勤の人員を住居の数で数える:夜間支援従事者は住居ごとに必要です。住居を分けるほど夜勤の人数が増えます
- 短期入所の併設を組み込む:併設型か単独型かを決め、短期入所の基準も満たす計画にします
- 新規指定の特例を収支に入れる:令和8年6月1日以降の新規指定なら、基本報酬を1000分の972で計算し直します
- 地域連携推進会議を年間の予定に入れる:会議と見学の機会をそれぞれ年1回以上設けます。構成員の選び方は解釈通知と指定権者の案内で確かめます
- 指定権者に事前相談する:建物の定員や短期入所の扱いは、指定権者の事前相談で確かめてください
6. 落とし穴
- 夜間支援従事者を宿直で組んでいる:日中型の基準の夜間支援従事者は夜勤で、宿直は含みません。
- 1人の夜勤で複数の住居を受け持っている:基準の夜間支援従事者は住居ごとに1人以上です。
- 夜勤職員加配加算の加配者が他の住居と兼務している:加配者はその住居に専従です。併設の短期入所の従業者との兼務だけが認められています。
- 地域連携推進会議の記録を公表していない:報告・要望・助言の記録を作り、公表するところまでが義務です。
7. まとめ
- 日中サービス支援型は、世話人5:1と住居ごとの夜勤で昼夜の支援体制を確保する類型で、短期入所を併設する
- 基本報酬は区分6で1日997単位と高いが、夜間支援等体制加算は取れず、夜勤の加配は夜勤職員加配加算(149単位)で評価する
- 令和8年6月1日以降の新規指定には1000分の972の特例がかかるため、開設の収支はこの割合で作る
8. 参考資料
- e-Gov法令検索「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)」
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」
- 厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について」
- 厚生労働省「留意事項通知の新旧対照表(令和8年5月28日改正)」