障害福祉サービスのモニタリングは、サービス管理責任者が個別支援計画の実施状況を把握し、利用者と定期的に面接して結果を記録し、少なくとも6か月に1回以上(自立訓練・就労移行支援・自立生活援助は3か月に1回以上)計画を見直す手続きです。根拠は指定基準第58条第9項・第10項で、生活介護、就労継続支援、共同生活援助など多くのサービスが準用しています。

モニタリングで大切なのは、見直しの期限を守ることと、面接した事実と評価の中身を記録に残すことの2つです。運営指導では、期限を過ぎていないか、面接をしたか、評価の結果が次の計画に反映されているかが見られます。

この記事は、令和6年度報酬改定・令和8年6月の見直しを踏まえた内容です。令和6年度改定で、見直した計画(変更が無い場合を含む)を相談支援事業所にも交付することが明確になりました。


モニタリングが求められる仕組み

条文の中身

「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)第58条は、次のように定めています。

  • 第9項:サービス管理責任者は、計画の作成後、計画の実施状況の把握(利用者についての継続的なアセスメントを含む)を行い、少なくとも6月に1回以上計画を見直し、必要に応じて変更する
  • 第10項:モニタリングにあたっては、利用者と家族等との連絡を継続的に行い、特段の事情のない限り、①定期的に利用者に面接する、②定期的にモニタリングの結果を記録する
  • 第11項:計画を変更するときは、アセスメントから交付までの手順(第2項〜第8項)をもう一度踏む

サービスごとの見直しの頻度

サービス見直しの頻度根拠(第58条の読み替え)
療養介護・生活介護少なくとも6か月に1回以上第58条、生活介護は第93条で準用
就労継続支援A型・B型少なくとも6か月に1回以上第197条、第202条で準用
共同生活援助(3類型)少なくとも6か月に1回以上第213条、第213条の11、第213条の22で準用
自立訓練(機能訓練)少なくとも3か月に1回以上第162条で「六月」を「三月」と読み替え
自立訓練(生活訓練)少なくとも3か月に1回以上第171条で読み替え
就労移行支援少なくとも3か月に1回以上第184条で読み替え
自立生活援助少なくとも3か月に1回以上第206条の20で読み替え

期間の短いサービスは、利用期間に上限がある、または短い期間で状態が変わりやすいサービスです。多機能型で複数のサービスを提供している場合は、サービスごとの頻度で管理します。 児童の通所支援は別の基準(児童福祉法に基づく基準)で定められているため、頻度は指定権者の資料で確かめてください。


モニタリングで確かめることと記録の項目

水戸市の「個別支援計画の作成について」は、モニタリングでは利用者に面接し、次の3つを評価するよう示しています。

  1. 到達目標の達成度の評価・分析
  2. 利用者にサービスが適切に提供されているかの評価
  3. 利用者の意向や環境の変化の評価

これを記録の様式に落とすと、次のような項目になります。

記録の項目書く中身記入の例
実施日・面接の場所・参加者面接した日と、本人・家族・職員のだれがいたか面接が無い記録は、第58条第10項の面接を確かめられない
短期目標ごとの達成度達成・一部達成・未達成と、その根拠となる事実例えば「午前の2時間の作業を、この3か月で週4日続けられた」
支援の実施状況計画の支援内容を、計画どおりに行えたか例えば「手順書は作ったが、職員の交代で確認が抜けた日があった」
本人の意向面接で本人が話したこと本人の言葉で書く。発言が難しい人は、表情や様子から推定した内容と根拠
環境の変化家族、住まい、体調、他のサービスの利用の変化例えば「日中の事業所が週1日増えた」
今後の方針計画を変更するか、継続するか変更する場合は、アセスメントからやり直す

達成度を「順調」「特になし」だけで書いた記録は、評価の中身が分かりません。 目標が「評価できる行動」で書かれていれば、記録も具体的に書けます。目標の書き方はB型の個別支援計画の書き方やグループホームの個別支援計画の書き方で整理しています。


計画相談のモニタリングとの違い

「モニタリング」という言葉は、相談支援専門員が行う計画相談支援(継続サービス利用支援)でも使われます。2つは別の手続きです。

事業所のモニタリング計画相談のモニタリング
行う人サービス管理責任者指定特定相談支援事業所の相談支援専門員
対象その事業所の個別支援計画複数のサービスをまとめたサービス等利用計画
頻度基準で6か月(または3か月)に1回以上市町村が利用者ごとに定めるモニタリング期間
根拠指定基準第58条障害者総合支援法第5条第23項、施行規則第6条の16

厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」(令和8年7月版)は、計画相談のモニタリング期間を、市町村が相談支援事業者の提案を踏まえて利用者ごとに定めるとしています。標準の期間として、例えば支給決定でサービスの種類や量が大きく変わった人は利用開始から3か月間は毎月、就労移行支援・自立訓練・日中サービス支援型の共同生活援助などを使う人は3か月ごと、それ以外の多くの人は6か月ごとと示し、一律に標準期間に合わせるのではなく状況に応じて設定するよう求めています。

2つのモニタリングの時期を合わせておくと、相談支援専門員からの情報を事業所の見直しに生かしやすくなります。 相談支援事業所との連携については相談支援事業所の役割も参照してください。


モニタリングの進め方

  1. 期限の一覧を作る:利用者ごとに、前回の見直しの日と次の期限を一覧にする。多機能型はサービスごとに
  2. 面接の日を先に決める:期限の1か月前には面接の日を決め、本人・家族に伝える
  3. 記録を読み返してから面接する:日々のサービス提供の記録から、目標ごとの事実を拾っておく
  4. 面接し、評価を記録する:上の表の項目で記録する
  5. 変更の要否を決める:変更するときは、アセスメント、原案、個別支援会議、同意、交付の手順を踏む。会議の開き方は個別支援会議の本人参加を参照
  6. 変更が無くても交付する:見直した結果を本人と相談支援事業所に交付する(Q&A VOL.1 問82)

入院、退院、家族の状況の変化、日中の事業所の変更などがあったときは、期限を待たずにモニタリングを行います。


落とし穴

  • 期限を1日でも過ぎる:和歌山市の実地指導の指摘事例は、サービスごとに定められた期間ごとに見直していなかったことを、個別支援計画の注意点として挙げています。見直しの手順が適切に行われていない場合は、個別支援計画未作成減算の対象になり得るため、期限の管理を仕組みにしておきます(減算の割合と期間は障害福祉の減算の一覧)
  • モニタリングの資料が無い:横浜市の「個別支援計画を作成するにあたって」(令和6年8月)は、所定の期間内に見直しが行われていない場合や、モニタリング資料が作成されていない場合を、個別支援計画未作成等減算になる例として挙げています
  • 面接をしていない:職員の観察記録だけで評価した記録は、第58条第10項の「定期的に利用者に面接すること」を確かめられません
  • 評価が次の計画に反映されていない:未達成の目標を、理由を書かないまま次の計画にそのまま写すと、モニタリングをした意味が問われます
  • 見直した計画を渡していない:変更が無い場合の交付が抜けやすい点です

まとめ

  • モニタリングは、計画の実施状況の把握と継続的なアセスメント。面接と記録が基準で求められている
  • 見直しの頻度は、多くのサービスで6か月に1回以上、自立訓練・就労移行支援・自立生活援助は3か月に1回以上
  • 記録には、面接の日と参加者、目標ごとの達成度と根拠、支援の実施状況、本人の意向、環境の変化、今後の方針を残す
  • 計画相談のモニタリングとは行う人も頻度も別。時期を合わせて情報を共有する
  • 変更が無くても、見直した計画を本人と相談支援事業所に交付する

運営指導の全体の流れは運営指導(実地指導)の準備、書類の点検の順番は運営指導の自己点検チェックリストで整理しています。


参照した資料

  • e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号。第58条、第162条、第171条、第184条、第206条の20ほか)(条文)
  • 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」(令和8年7月版。第3のⅡ 継続サービス利用支援、モニタリング期間の設定)(掲載ページ、PDF)
  • 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1」(令和6年3月29日。問82)(PDF)
  • 水戸市「個別支援計画の作成について」(PDF)
  • 横浜市「個別支援計画を作成するにあたって」(令和6年8月)(PDF)
  • 和歌山市「実地指導における主な指摘事例」(PDF)