共同生活援助(グループホーム)の報酬は、類型と障害支援区分で決まる基本報酬に、夜間の体制、職員の加配、重度の利用者への支援、入退居や入院に応じた加算を足して組み立てます。金額が大きいのは、夜間支援等体制加算(夜勤で区分4以上・2人以下なら1日672単位)と重度障害者支援加算(1日360単位または180単位)で、この2つと人員配置体制加算の取り方で収入が大きく変わります。

この記事は、令和6年度報酬改定・令和8年6月の見直しにもとづく内容です。単位数は厚生労働省の報酬算定構造、要件は留意事項通知(平成18年障発第1031001号、令和8年5月28日改正を反映)と指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)で確かめました。令和8年6月の告示改正でグループホームについて変わったのは、新規指定の単価特例と処遇改善加算の率です。


1. 3つの類型と基本報酬

グループホームには3つの類型があり、基本報酬も取れる加算も違います。

類型体制の特徴基本報酬の例(1日)
介護サービス包括型世話人6:1。介護も事業所の職員が行う区分6 600単位/区分4 372単位/区分2 188単位
日中サービス支援型世話人5:1。住居ごとに夜間支援従事者を置き、昼も支援する区分6 997単位/区分4 771単位/区分3 524単位
外部サービス利用型介護は委託した居宅介護事業所が行う世話人6:1で171単位(別に受託居宅介護サービス費)

日中サービス支援型は、日中を住居以外で過ごす人の区分(区分6 765単位〜区分1以下 253単位)があり、体験利用にも別の単位があります。類型の違いと体制は日中サービス支援型グループホームの記事で詳しく扱っています。

入居定員が8人以上の住居には大規模住居等減算がかかり、介護サービス包括型・日中サービス支援型では8〜20人で100分の95、21人以上で100分の93です。減算の全体は障害福祉の減算一覧で確かめてください。


2. 体制で取る加算

加算単位数要点
人員配置体制加算1日28〜138単位基準を超えて世話人等を加配。包括型は12:1で区分4以上83単位・区分3以下77単位、30:1で33単位・31単位。日中型は7.5:1で区分4以上138単位・区分3 121単位など
福祉専門職員配置等加算1日10/7/4単位世話人・生活支援員の資格や勤続年数を評価
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算1日51/41単位専門性のある職員を配置
高次脳機能障害者支援体制加算1日41単位研修修了者を配置
看護職員配置加算1日70単位看護職員を常勤換算1人以上、かつ利用者20人に1人以上
夜間支援等体制加算(Ⅰ)〜(Ⅵ)人数と区分で変わる包括型・外部型のみ。夜勤・宿直・連絡体制
夜勤職員加配加算1日149単位日中型のみ。基準の夜間支援従事者に加えて夜勤を1人以上
ピアサポート実施加算月100単位研修を修了した障害当事者などを配置

人員配置体制加算は、基準で置く世話人等と加配した世話人等の勤務延べ時間を40時間で割る「特定従業者数換算方法」で数え、小数点第2位以下を切り捨てます。加算の単位数は、配置比率と利用者の区分、日中型ではさらに日中を住居で過ごすか外で過ごすかで決まります。

夜間支援等体制加算は、グループホームでいちばん金額が動く加算です。区分と人数による単位数の表と要件は夜間支援等体制加算の記事にまとめました。


3. 利用者の状態で取る加算

加算単位数要点
重度障害者支援加算(Ⅰ)1日360単位重度障害者等包括支援の対象者。生活支援員の加配と研修修了者の配置
重度障害者支援加算(Ⅱ)1日180単位区分4以上で行動関連項目10点以上
医療的ケア対応支援加算1日120単位看護職員を常勤換算1人以上。医療的ケアが必要な人を支援
医療連携体制加算(Ⅰ)〜(Ⅶ)区分で変わる医療機関等との連携で看護を提供
日中支援加算(Ⅰ)1日539/270単位65歳以上または区分4以上で日中を住居の外で過ごすことが難しい人。対象が1人なら539単位
日中支援加算(Ⅱ)1日135〜539単位日中活動を休んだ日や就労先に出勤できない日に住居で支援
集中的支援加算(Ⅰ)月4回まで1回1,000単位ほか状態が悪化した強度行動障害のある人への集中的な支援

重度障害者支援加算は、行動関連項目18点以上の人への上乗せや、算定を始めてから180日以内の上乗せもあります。要件と生活介護・短期入所との違いは重度障害者支援加算の記事で扱っています。

医療連携体制加算は、看護の時間と医療的ケアの有無で区分が分かれ、医療的ケアが必要な利用者への看護(Ⅳ)は利用者1人で1日800単位です。看護職員配置加算とは原則として併せて算定できない点に注意してください。


4. 入退居・入院・地域移行で取る加算

加算単位数要点
自立生活支援加算(Ⅰ)月1,000単位(6月まで)包括型・外部型で、一人暮らしなどへの退居に向けて支援
自立生活支援加算(Ⅲ)1日40〜80単位移行支援住居で一定期間の支援。入居からの期間で単位数が下がる
入院時支援特別加算月561/1,122単位入院中に職員が病院を訪ね、支援を行った場合。入院の日数で区分
帰宅時支援加算月187/374単位家族などの家に帰省している間の支援
地域生活移行個別支援特別加算1日670単位医療観察法の対象者などへの支援体制
精神障害者地域移行特別加算1日300単位精神科病院から地域へ移る人への支援
強度行動障害者地域移行特別加算1日300単位施設などから地域へ移る強度行動障害のある人への支援

退居後の定着を支える退居後共同生活援助サービス費(3か月を限度に月2,000単位)もあり、退居後ピアサポート実施加算(月100単位)と組み合わせられます。


5. 令和8年6月からの変更

新規指定の単価特例:令和8年6月1日以降に新たに指定を受けた介護サービス包括型・日中サービス支援型は、令和9年度報酬改定までの間、基本報酬に1000分の972を掛けます(令和8年こども家庭庁・厚生労働省告示第5号)。既存の事業所の単価は変わりません。特別地域加算の対象地域の事業所や、都道府県知事が特に必要と認めた事業所は対象外で、視覚・聴覚言語障害者支援体制加算や重度障害者支援加算などを算定する月も従来の単価になります。全体は令和8年度の期中改定の記事で整理しています。

処遇改善加算:令和8年6月から次の率になりました(障障発0331第1号・こ支障第78号、令和8年3月31日の通知の別紙1 表1-2)。

類型ⅠイⅠロⅡイⅡロⅢⅣ
介護サービス包括型・日中サービス支援型16.3%16.9%16.0%16.6%14.4%12.1%
外部サービス利用型22.7%23.3%22.4%23.0%20.8%16.8%

6. 取りこぼしを見つける手順

  1. 類型を確かめる:自分の事業所が包括型・日中型・外部型のどれで指定を受けているかで、夜間の加算と重度の加算の扱いが変わります
  2. 利用者の区分と行動関連項目の点数を一覧にする:受給者証と認定調査の結果から、区分4以上、行動関連項目10点以上・18点以上、医療的ケアの有無を拾います
  3. 夜間の体制を住居ごとに書き出す:夜勤か宿直か連絡体制か、1人が何か所の住居を受け持つかで、夜間支援等体制加算の区分と単位数が決まります
  4. 加配の時間を40時間で割る:人員配置体制加算は、前月の勤務表から特定従業者数換算で数え直します
  5. 個別の計画に位置づける:夜間支援、日中支援、重度障害者支援などは、共同生活援助計画に書いてあることが前提です。書き方はグループホームの個別支援計画の記事で確かめてください
  6. 体制届を出す:届出の締切と様式は指定権者ごとに違うため、指定権者の案内で確かめてください

7. 落とし穴

  • 日中型で夜間支援等体制加算を請求している:日中型は基準で夜間支援従事者を置くため、夜間の評価は夜勤職員加配加算です。
  • 夜間支援等体制加算の(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)を同じ利用者に重ねている:同じ住居の利用者には1つだけです。
  • 大規模住居等減算を加算の後にかけている:減算は基本報酬にかけ、加算にはかけません。
  • 新規指定の特例を既存の事業所の計画に入れている、または開設予定の計画に入れていない:特例は令和8年6月1日以降の新規指定だけが対象です。

8. まとめ

  • グループホームの報酬は類型と区分で決まる基本報酬に、夜間・加配・重度・入退居の加算を足す
  • 大きいのは夜間支援等体制加算と重度障害者支援加算。日中型は夜勤職員加配加算で夜間を評価する
  • 令和8年6月からは新規指定の包括型・日中型に1000分の972の特例がかかり、処遇改善加算の率も上がった

9. 参考資料