関係機関連携加算は、子どもが日々通う学校・保育所などや、児童相談所・医療機関などと、会議で情報を共有し連絡調整をしたときに算定する加算です。4つの区分があり、単位数は(Ⅰ)250単位、(Ⅱ)200単位、(Ⅲ)150単位(いずれも月1回まで)、(Ⅳ)200単位(就学・就職の機会に1回まで)です(令和8年度の報酬算定構造。児童発達支援・放課後等デイサービスで同じ)。

算定の基本は会議です。電話のやり取りだけ、地域の課題を話し合う会議の一事例として扱っただけ、障害児相談支援のサービス担当者会議に出ただけ、では算定できません。以下、根拠は障害児通所支援の留意事項通知(平成24年3月30日障発0330第16号、最終改正はこ支障第88号(令和8年3月31日))の第二の2の(1)の⑮の2(放課後等デイサービスは(3)の⑯で準用)と、こども家庭庁の令和6年度報酬改定Q&Aです。


1. 仕組み:連携先で2つに分かれる

留意事項通知は、連携先を2つのまとまりに分けています。

  • 保育所等施設:子どもが日々通う保育所、幼稚園、認定こども園、小学校、特別支援学校、放課後児童クラブなど
  • 児童相談所等関係機関:子どもの状況によって連携が必要になる児童相談所、こども家庭センター、医療機関など(Q&Aは保健所・保健センターも想定しています)

保育所等施設との連携が(Ⅰ)と(Ⅱ)、児童相談所等関係機関との連携が(Ⅲ)、学校の入学や就職の節目の引き継ぎが(Ⅳ)です。


2. 区分ごとの要件

区分相手やること単位数
(Ⅰ)保育所等施設通所支援計画の作成・見直しに関する会議を開き、連携の具体的な方法を計画に書く250単位(月1回)
(Ⅱ)保育所等施設心身の状況や生活環境などの情報共有の会議を開く、または参加する200単位(月1回)
(Ⅲ)児童相談所等関係機関情報共有の会議を開く、または参加する150単位(月1回)
(Ⅳ)就学先・就職先子どもの状態や支援方法を書いた文書を渡し、連絡調整する200単位(1回)

どの区分も、あらかじめ保護者の同意を得ます。(Ⅰ)〜(Ⅲ)の会議はテレビ電話装置などを使って行えます。(Ⅰ)で子どもが会議に参加するときは、障害の特性に合わせた配慮をします。

2-1. (Ⅰ)で計画に書くこと

(Ⅰ)は、会議を開くだけで終わりではありません。会議の結果や日々の連絡調整を踏まえて、計画に関係機関との連携の具体的な方法を書き、計画を作成・見直しします。その記載は、関係機関との調整を踏まえていることが保護者に分かるようにします。例えば「学校と月1回、授業での様子と事業所での様子を連絡帳で共有し、学期ごとに会議で目標をすり合わせる」のように、方法と頻度が見える書き方です。

2-2. (Ⅳ)の就学・就職

(Ⅳ)は、ライフステージが変わるときに支援が途切れないよう、就学・就職の機会をとらえて評価します。

  • 就学:小学校(義務教育学校の前期課程を含む)または特別支援学校の小学部に入学するとき
  • 就職:企業や官公庁などに就職するとき。就職先が就労継続支援A型・B型、就労移行支援事業所の場合は対象外
  • 子どもの状態や支援方法を書いた文書を、保護者の同意を得て就学先・就職先に渡します。会議の開催までは求められていません

3. 判断材料:同じ月の組み合わせと対象外

場面算定
同じ月に(Ⅰ)と(Ⅱ)どちらか一方だけ
同じ月に(Ⅰ)または(Ⅱ)と(Ⅲ)それぞれ1回ずつ算定できる。ただし会議の参加者が同じなら算定できない
保育所等訪問支援との多機能型で、(Ⅲ)と保育所等訪問支援の関係機関連携加算同じ月はどちらか一方
多機能型で同じ子どもに複数のサービス各サービスを合計して上限回数を数える
電話による情報交換だけ算定できない
地域の課題を話し合う会議で、一事例として扱った算定できない
障害児相談支援事業所のサービス担当者会議に出席算定できない
ほかの障害児通所支援事業所との会議対象外(事業所間連携加算を検討)
個別サポート加算(Ⅱ)で求められる児童相談所等との情報連携(Ⅲ)は算定しない
共生型の児童発達支援事業所で児童発達支援管理責任者がいない(Ⅰ)は算定できない

個別サポート加算(Ⅱ)(要保護・要支援児童への支援)との関係は、個別サポート加算と専門的支援加算の解説も合わせて確かめてください。


4. 打ち手:会議を「算定できる形」にする手順

  1. 保護者の同意を取る。誰と、何のために情報を共有するかを説明し、同意の記録を残します。
  2. 会議の目的を決める。計画の作成・見直しの会議なら(Ⅰ)、日々の様子の共有なら(Ⅱ)です。目的によって記録に書く項目が変わります。
  3. 会議を開く、または参加する。対面でもテレビ電話装置などでも構いません。
  4. 記録を残す。出席者、開催日時、内容の要旨を書きます。(Ⅰ)は、これに加えて通所支援計画に反映させる内容を書きます。
  5. 計画に反映する。(Ⅰ)は連携の具体的な方法を計画に書き、作成・見直しをします。(Ⅱ)(Ⅲ)も、必要に応じて計画を見直します。
  6. 会議の後も日常的に連絡を取る。留意事項通知は、会議にとどまらず日常的な連絡調整に努めるよう求めています。

学校との関係づくりそのものは、学校との連携の進め方で扱っています。


5. 落とし穴

  • 記録が「学校と話した」だけ:出席者・日時・要旨が無いと、会議を行ったことを示せません。
  • (Ⅰ)なのに計画が変わっていない:(Ⅰ)は計画の作成・見直しの会議です。計画に連携の方法が書かれていないと、要件を満たしません。
  • (Ⅰ)と(Ⅱ)を同じ月に両方算定:どちらか一方です。
  • (Ⅲ)で同じ顔ぶれ:(Ⅰ)(Ⅱ)と同じ参加者の会議を(Ⅲ)として重ねて算定することはできません。
  • (Ⅳ)の就職先が就労系の事業所:A型・B型・就労移行支援への移行は対象外です。

加算全体の取り方は放課後等デイサービスの加算一覧に、家族への相談援助の加算は家族支援加算の要件にまとめています。会議の様式や記録の求め方は指定権者によって違う場合があるので、迷うときは指定権者の公表資料や窓口で確かめてください。


まとめ

  • 関係機関連携加算は、学校・保育所などや児童相談所などとの会議による情報連携を評価する
  • (Ⅰ)250単位は計画の作成・見直しの会議、(Ⅱ)200単位は情報共有の会議、(Ⅲ)150単位は児童相談所等との会議、(Ⅳ)200単位は就学・就職時の文書による引き継ぎ
  • (Ⅰ)と(Ⅱ)は同じ月にどちらか一方。(Ⅲ)は別に算定できるが、同じ参加者なら不可
  • 電話だけ、地域の検討会議、サービス担当者会議、ほかの通所事業所との会議は対象外
  • 記録は出席者・日時・要旨。(Ⅰ)は計画に反映する内容と連携の具体的な方法も

参考資料