児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所は、5領域との関連を明確にした事業所全体の支援の計画(支援プログラム)を作り、インターネットなどで公表し、公表の方法と内容を都道府県に届け出ることが求められています。届出が無いと、届け出ていない月から解消した月まで、利用する子ども全員の基本報酬が100分の85になります(支援プログラム未公表減算)。

作り方の決まりは緩やかで、様式は自由、ホームページに載せる形でも構いません。押さえるのは、こども家庭庁の手引きが示す12の項目を網羅することと、5領域と支援内容を結び付けて書くこと、そして公表と届出を両方済ませることです。事業所の特色を打ち出す使い方は放課後等デイサービスの差別化で扱っているので、ここでは作成・公表・届出の手順に絞ります。


1. 仕組み:どこに決まりがあるか

  • 運営基準:指定通所基準(平成24年厚生労働省令第15号)第26条の2は、事業所ごとに支援プログラム(第26条第4項の領域との関連性を明確にした支援の実施に関する計画)を作り、インターネットの利用その他の方法で公表しなければならない、と定めています。放課後等デイサービスなどには準用されます。
  • 経過措置:令和6年4月1日から求められていますが、令和7年3月31日までは「公表するよう努めなければ」と読み替える努力義務でした。
  • 減算:障害児通所支援の留意事項通知(最終改正はこ支障第88号(令和8年3月31日))第二の1の(8の2)により、令和7年4月1日以降、公表の届出がされていない場合に、加算を加える前の所定単位数の100分の85で算定します。対象は児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、共生型障害児通所支援、基準該当通所支援です。
  • 指導:都道府県知事は基準を守るよう指導し、従わない場合は、特別な事情がある場合を除き指定の取消しを検討する、とされています。

5領域は「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」です。個々の子どもの個別支援計画でも、基準第27条で5領域との関連を書くことが求められており、支援プログラムはその事業所全体の版にあたります。


2. 判断材料:記載する12項目のチェックリスト

こども家庭庁「児童発達支援等における支援プログラムの作成及び公表の手引き」(令和6年7月)が示す項目です。これらを網羅したうえで、項目を足すのは自由です。

区分項目書く内容
基本情報①事業所名事業所名
基本情報②作成年月日作成または見直しをした年月日
基本情報③法人(事業所)理念理念
基本情報④支援方針事業所の支援方針
基本情報⑤営業時間運営規程に定める営業時間
基本情報⑥送迎実施の有無送迎の有無
支援内容⑦本人支援の内容と5領域の関連性支援内容と5領域を結び付けて書く
支援内容⑧家族支援(きょうだいへの支援も含む)家族への支援の取組
支援内容⑨移行支援移行に向けた支援の取組
支援内容⑩地域支援・地域連携地域支援・連携の取組
支援内容⑪職員の質の向上に資する取組事業所内研修、外部研修への派遣など
支援内容⑫主な行事等行事や、季節に合わせた活動

手引きは、⑧⑨⑩を書くときの観点として、「個別支援計画記載のポイント」(令和6年5月17日 こども家庭庁支援局障害児支援課事務連絡)も参考にするよう示しています。


3. 打ち手:作成から届出までの手順

3-1. 誰と作るか

手引きは、管理者や児童発達支援管理責任者だけで作らず、直接支援にあたる職員の意見も聴きながら作るよう求めています。支援プログラムには、全職員が理念や支援の中身を共通に理解する役割と、子どもや家族がサービスを選ぶ材料になる役割がある、というのが手引きの考え方です。

3-2. 5領域の結び付け方

手引きは結び付け方を問わず、例として2つの方法を挙げています。

  1. 領域ごとの欄を作り、関連する支援内容を書く。例えば「運動・感覚」の欄に、公園での外遊びや感覚遊びの活動を書く形です。
  2. 支援内容ごとに、関連する領域を示す。例えば「調理活動」の行に、「健康・生活」「認知・行動」「人間関係・社会性」を付ける形です。

どちらでも、実際の日課や活動と一致していることが大切です。書いてある活動が普段行われていないと、見学に来た家族の期待とずれます。

3-3. ⑧〜⑩の書き方

  • 家族支援:きょうだいへの支援も含めて、相談の方法や頻度、保護者向けの学習会などを書きます。家族への相談援助は家族支援加算の対象にもなるので、加算で行っている取組と中身をそろえておきます。
  • 移行支援:保育所などへの具体的な移行だけでなく、ライフステージの切り替えを見据えた取組や、児童館・地域の子育てサークル・地域の人との交流なども含まれると手引きは書いています。
  • 地域支援・地域連携:学校や保育所、関係機関との連携の取組を書きます。会議による連携は関係機関連携加算で評価される内容とも重なります。児童発達支援センターなどが地域の事業所を後方支援している場合は、その取組も書きます。

3-4. 公表と届出

  1. 事業所のホームページなど、インターネットの利用その他の方法で広く公表します。
  2. 公表の方法と公表の内容を都道府県に届け出ます。届出の様式や提出先(政令市・中核市が窓口の場合など)は、所管の自治体の案内で確かめてください。
  3. 見直したら作成年月日を更新し、公表内容を差し替えます。届出の要否は自治体の案内に従います。

4. 落とし穴

  • 公表したが届け出ていない:減算は「届出がされていない場合」に適用されます。ホームページに載せただけで止まっていないかを確かめます。
  • 多機能型で1本にまとめている:事業ごとに作ります。
  • 5領域の名前を並べただけ:支援内容との関連が分からない書き方では、基準の趣旨に合いません。
  • 法人の複数の事業所で同じ文面:支援プログラムは事業所ごとです。営業時間や送迎、行事など、事業所ごとに違う項目があるはずです。
  • 自己評価結果等の公表と混同:自己評価・保護者評価の結果の公表は別の義務で、別の減算(同じく100分の85)があります。

減算の全体像は障害福祉の減算一覧に、加算の全体は放課後等デイサービスの加算一覧にまとめています。運営指導の前の点検には運営指導の自己点検チェックリストも使えます。


まとめ

  • 支援プログラムは、5領域との関連を明確にした事業所全体の支援の計画。指定通所基準第26条の2で作成と公表が義務
  • 手引きの12項目を網羅する。様式は自由で、ホームページで示す形でもよい
  • 直接支援の職員の意見も聴いて作る。多機能型は事業ごとに作る
  • 公表したら、公表の方法と内容を都道府県に届け出る
  • 届出が無い月から解消した月まで、子ども全員の基本報酬が100分の85になる

参考資料