就労継続支援B型の人員配置基準は、「職業指導員と生活支援員の合計を、利用者数÷10以上の常勤換算で置く」「サービス管理責任者を利用者60人以下なら1人置く」「管理者を1人置く」の3つが柱です。 職業指導員・生活支援員はそれぞれ1人以上必要で、どちらか1人以上は常勤でなければなりません。
ただし、この10:1は指定を受けるための最低ラインです。実際の報酬は、6:1・7.5:1・10:1のどの配置を届け出るかで基本報酬の区分が変わるため、多くの事業所は基準より厚く配置しています。定員20人なら、基準では常勤換算2.0人で足りますが、6:1の報酬区分を取るなら3.33…人以上が必要です。
この記事では、厚生労働省の基準省令(平成18年厚生労働省令第171号)と解釈通知(障発第1206001号、令和7年3月31日一部改正)にもとづき、定員別の必要数を早見表で整理します。年度の根拠は、令和6年度報酬改定・令和8年6月の見直しにもとづいています。職種ごとの役割の違いは職業指導員と生活支援員の違いで詳しく扱っています。
1. B型に置く職種と基準の条文
B型の人員基準は、基準省令第199条が、就労継続支援A型の第186条と、管理者の第51条などを準用する形で定めています。置く職種と条件は次のとおりです。
| 職種 | 必要な数 | 常勤の条件 |
|---|---|---|
| 管理者 | 1人 | 専従が原則(管理上支障がなければ兼務可) |
| サービス管理責任者 | 利用者60人以下で1人、61人以上は40人ごとに1人を加える | 1人以上は常勤 |
| 職業指導員 | 生活支援員と合わせて、常勤換算で利用者数÷10以上。それぞれ1人以上 | 職業指導員か生活支援員のどちらか1人以上は常勤 |
| 生活支援員 | 同上 | 同上 |
医師や看護職員は、B型の基準上の職種には入っていません。目標工賃達成指導員も基準上の職種ではなく、加算の要件です(第4章で扱います)。
職業指導員と生活支援員は、原則としてその事業所の職務に専ら従事する者でなければなりません。ただし、利用者の支援に支障がない場合は例外があります。
利用者数は「前年度の平均値」で数える
必要数の計算に使う利用者数は、定員ではなく前年度(4月〜翌3月)の平均値です。解釈通知は、前年度の利用者の延べ数を開所日数で割り、小数点第2位以下を切り上げるとしています。例えば延べ4,300人・開所日数245日なら、4,300÷245=17.55…で、17.6人です。
新設や増床から6か月未満の間は、利用定員の90%を利用者数とします。定員20人の新設事業所なら18人です。
常勤換算の計算方法、1人が数えられる上限、時短勤務の扱いは常勤換算の計算方法で整理しています。
2. 定員別の必要人数の早見表
利用者数が定員と同じと仮定して、定員20・30・40人の必要数を出すと次のようになります。職業指導員・生活支援員の欄は、2職種の合計の常勤換算です。
| 利用者数 | 基準(10:1) | 報酬 7.5:1 | 報酬 6:1 | サビ管 | 管理者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 20人 | 2.0人 | 2.66…人(20÷7.5) | 3.33…人(20÷6) | 1人 | 1人 |
| 30人 | 3.0人 | 4.0人 | 5.0人 | 1人 | 1人 |
| 40人 | 4.0人 | 5.33…人(40÷7.5) | 6.66…人(40÷6) | 1人 | 1人 |
| 60人 | 6.0人 | 8.0人 | 10.0人 | 1人 | 1人 |
| 70人 | 7.0人 | 9.33…人 | 11.66…人 | 2人 | 1人 |
割り切れない場合は、計算結果以上の常勤換算が必要です。例えば定員20人で6:1を取るなら、常勤換算3.33では足りず、3.34以上が要ります。勤務形態一覧表での端数の書き方は、指定権者の様式に従ってください。
早見表を使うときの注意
- 定員ではなく前年度の平均利用者数で計算します。 定員20人でも前年度の平均が16.5人なら、6:1の必要数は16.5÷6=2.75人です。逆に、定員を超えて受け入れた日が多い年は、定員で計算した数では足りないことがあります
- 職業指導員・生活支援員はそれぞれ1人以上なので、合計が足りていても片方が0人なら基準を満たしません
- サビ管は、原則として職業指導員・生活支援員とは別に数えます。 兼務は可能ですが、兼務先の常勤換算にサビ管として働いた時間を入れられません。例外として、利用定員20人未満の事業所では入れてよいとされています(定員を細かく分けて適用することは認められません)
3. 報酬の人員配置(6:1・7.5:1・10:1)との関係
基準が10:1でも、報酬は届け出た人員配置で基本報酬の区分が決まります。令和6年度報酬改定で、平均工賃月額で評価するサービス費に6:1の区分(サービス費(Ⅰ))が新設されました。
| サービス費 | 人員配置 | 評価の軸 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 6:1 | 平均工賃月額 |
| (Ⅱ) | 7.5:1 | 平均工賃月額 |
| (Ⅲ) | 10:1 | 平均工賃月額 |
| (Ⅳ) | 6:1 | 利用者の就労や生産活動等への参加等 |
| (Ⅴ) | 7.5:1 | 同上 |
| (Ⅵ) | 10:1 | 同上 |
人員配置の区分を上げると単位数も上がりますが、1人分の人件費が増えます。定員20人の事業所が10:1から6:1に移るには、常勤換算で1.34人ほど増やす必要があります。区分ごとの単位数と平均工賃月額の計算はB型の報酬区分と平均工賃で扱っています。
届け出た配置を満たせなくなった月は、配置区分の届出を変更する必要があります。届け出たまま配置が下回ると、報酬の返還につながります。
4. 目標工賃達成指導員の位置付け
目標工賃達成指導員は、基準の職種ではなく、目標工賃達成指導員配置加算の要件として置く職員です。加算を取る場合は、サービス費(Ⅰ)(Ⅳ)の事業所で、目標工賃達成指導員を常勤換算1人以上置き、目標工賃達成指導員・職業指導員・生活支援員の合計を利用者数÷5以上にします。
たとえば利用者数20人の場合、6:1の配置(3.33…人以上)に加え、3職種の合計で4.0人以上が必要です。単位数や目標工賃の決め方は目標工賃達成指導員配置加算で整理しています。
5. 配置を決める手順
- 前年度の平均利用者数を出す:延べ数÷開所日数で、小数点第2位以下を切り上げます。新設なら定員の90%です
- 届け出る人員配置を決める:6:1・7.5:1・10:1のどれを取るかを、報酬と人件費で比べて決めます
- 職業指導員・生活支援員の合計の必要数を出す:利用者数÷配置の比率です。割り切れなければ、その数以上にします
- 職種ごとの配分と常勤を決める:それぞれ1人以上、どちらか1人以上は常勤です
- サビ管と管理者を決める:サビ管は60人以下で1人、1人以上は常勤。兼務させるなら、兼務先の常勤換算に時間を入れない前提で必要数を数えます
- 勤務形態一覧表に落とす:職種ごとに時間を分けて記録し、月ごとに常勤換算を確かめます
チェックリスト
- 利用者数を定員ではなく前年度の平均で計算している
- 職業指導員と生活支援員が、それぞれ1人以上いる
- 職業指導員か生活支援員のどちらか1人以上が常勤である
- 報酬の配置(6:1・7.5:1・10:1)を満たす常勤換算がある
- サビ管の勤務時間を、職業指導員・生活支援員の常勤換算に入れていない(定員20人未満の例外を除く)
- 管理者が兼務している場合、兼務の範囲を説明できる
- 退職・休職の予定を見込んで、翌月以降も配置を満たせる
6. 落とし穴
- 定員で計算して安心している:前年度の平均利用者数が定員を上回っていれば、必要数も上がります。年度が替わる4月に必ず計算し直してください
- サビ管の時間を二重に数える:サビ管が支援にも入っている事業所で、その時間を職業指導員・生活支援員の常勤換算に入れてしまう例です。定員20人以上の事業所では入れられません
- 片方の職種が0人になる:生活支援員が退職し、職業指導員だけになった月は、合計が足りていても基準を満たしません
- サビ管の欠如:サビ管が退職して後任が見つからない場合、サビ管の欠如による減算の対象になります。人員欠如の特例(年1回・1割以内の欠員の猶予)は従業者だけで、サビ管は含まれません。人員欠如減算の割合と始まる月は、障害福祉の減算一覧で確かめてください
7. まとめ
- B型の基準は、職業指導員と生活支援員の合計を利用者数÷10以上(それぞれ1人以上、どちらか1人以上は常勤)
- サビ管は60人以下で1人、61人以上は40人ごとに1人を加える。管理者は1人
- 利用者数は前年度の平均値。新設6か月未満は定員の90%
- 報酬は6:1・7.5:1・10:1の配置で区分が変わる。定員20人なら6:1で3.33…人以上
- 目標工賃達成指導員は基準の職種ではなく加算の要件
- 端数の書き方や兼務の扱いは、指定権者の様式と運用で確かめる
参考資料
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号): https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について(障発第1206001号、令和7年3月31日一部改正): https://www.mhlw.go.jp/content/001494357.pdf
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」: https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001204019.pdf

