就労継続支援B型・A型と就労移行支援には、職業指導員と生活支援員を置く必要があります。 厚生労働省令は、2つの職種の総数を常勤換算で「利用者の数を10で除した数以上」(就労移行支援は6で除した数以上)とし、それぞれ1人以上、どちらか1人以上は常勤としています。
ここで決まるのは、指定を受けるための最低限の人数です。B型の基本報酬は、職員を6:1・7.5:1・10:1のどれで置くかで区分が分かれるため、実際には報酬の区分に合わせて人数を決めることになります。この記事では、条文にもとづく員数と、報酬上の人員配置、資格の扱い、計算の例を整理します。
1. 基準で決まっている員数
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)は、次のとおり定めています。
| サービス | 職業指導員と生活支援員の総数(常勤換算) | それぞれの数 | 常勤 | ほかに置く職種 |
|---|---|---|---|---|
| 就労移行支援(第175条) | 利用者の数÷6以上 | 職業指導員1以上・生活支援員1以上 | どちらか1人以上 | 就労支援員(利用者の数÷15以上)、サービス管理責任者 |
| 就労継続支援A型(第186条) | 利用者の数÷10以上 | 職業指導員1以上・生活支援員1以上 | どちらか1人以上 | サービス管理責任者 |
| 就労継続支援B型(第199条でA型の第186条を準用) | 利用者の数÷10以上 | 職業指導員1以上・生活支援員1以上 | どちらか1人以上 | サービス管理責任者 |
- 利用者の数は前年度の平均値です。新しく指定を受ける場合は推定数によります
- 従業者は、原則としてその事業所の職務に専ら従事する人でなければなりません。ただし、利用者の支援に支障がない場合はこの限りでないとされています
- サービス管理責任者は、利用者60人以下で1人以上、うち1人以上は常勤です
生活介護の生活支援員
生活介護(第78条)では職業指導員は置かず、看護職員・理学療法士等・生活支援員の総数を、平均障害支援区分に応じて利用者の数÷6(区分4未満)、÷5(4以上5未満)、÷3(5以上)以上とします。生活支援員は1人以上で、うち1人以上は常勤です。配置を厚くした場合の評価は「生活介護の人員配置体制加算」で扱っています。
2. 報酬の人員配置との関係
基準の10:1は、指定を受けるための最低ラインです。基本報酬は、職業指導員と生活支援員の総数をどの比率で置くかで区分が変わります。
| サービス | 報酬上の人員配置 | 区分の決まり方 |
|---|---|---|
| 就労継続支援B型 | 6:1・7.5:1・10:1 | 人員配置と、評価の方法(平均工賃月額か、就労や生産活動等への参加等か)の組み合わせで6区分 |
| 就労継続支援A型 | 7.5:1・10:1 | 人員配置、利用定員、スコア(評価点)の組み合わせ |
B型の区分と単位数は「就労継続支援B型の報酬区分」、A型は「就労継続支援A型の加算一覧」で整理しています。
計算の例(B型・前年度の平均利用者数20人)
| 人員配置 | 職業指導員+生活支援員の総数(常勤換算) |
|---|---|
| 10:1(基準の最低ライン) | 20÷10=2.0人以上 |
| 7.5:1 | 20÷7.5=約2.67人以上 |
| 6:1 | 20÷6=約3.33人以上 |
常勤の勤務時間が週40時間の事業所なら、6:1で置くには、職業指導員と生活支援員の勤務時間の合計が週およそ134時間以上必要です。常勤換算の端数の扱いは指定権者の計算方法に従うので、勤務形態一覧表の様式で確かめてください。
6:1のB型では、さらに目標工賃達成指導員を置いて3職種の合計を利用者数÷5以上にすると、目標工賃達成指導員配置加算を算定できます。詳しくは「目標工賃達成指導員配置加算」を参照してください。
3. 資格の扱い
基準は、職業指導員と生活支援員の員数を定めていますが、資格を要件にしていません。未経験の人を採用して配置に数えることもできます。
ただし、資格は加算で差がつきます。
- 福祉専門職員配置等加算:生活支援員・職業指導員など直接処遇職員のうち、社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士などの有資格者の割合や、常勤の割合・勤続年数で算定します。要件は「福祉専門職員配置等加算」で整理しています。
- サービス管理責任者の候補:職業指導員・生活支援員として直接支援業務に従事した期間は、サービス管理責任者の実務経験に数えられることがあります。将来のサビ管候補を育てる視点で採用するのも一つの方法です。研修の流れは「サビ管・児発管の更新研修」を参照してください。
指定権者によっては、指定申請の手引きで経歴書や資格の写しの提出を求めることがあります。
4. 配置を組むときの注意
- 前年度の平均利用者数を先に出す:必要な人数は、定員ではなく前年度の平均利用者数で決まります。年度が替わったら計算し直します。
- 職種ごとに1人以上を確かめる:総数が足りていても、職業指導員か生活支援員のどちらかが0人では基準を満たしません。
- 常勤を1人以上置く:職業指導員か生活支援員のどちらかに、常勤の人が1人以上要ります。
- 兼務の時間を分ける:管理者やサービス管理責任者が職業指導員などを兼ねる場合は、それぞれの職務に当たる時間を分けて常勤換算に入れます。兼務の可否と数え方は指定権者に確かめます。
- 退職と休職に備える:6:1や7.5:1でぎりぎりに置いていると、1人の退職で区分を満たさなくなります。区分を変える届出が遅れると、報酬の返還につながることがあります。
落とし穴
- 定員で人数を計算し、前年度の平均利用者数が増えていたことに気づかない
- 職業指導員だけで総数を満たし、生活支援員が0人になっている
- パートの職員ばかりで、常勤の職業指導員・生活支援員がいない
- 退職者が出たのに、報酬の人員配置の区分を変える届出をしていない
チェックリスト
- 前年度の平均利用者数から、必要な常勤換算の人数を出した
- 職業指導員と生活支援員がそれぞれ1人以上いる
- どちらかに常勤の職員が1人以上いる
- 報酬の人員配置(6:1・7.5:1など)の区分を、勤務形態一覧表で毎月確かめている
- 兼務の職員の時間を、職種ごとに分けて数えている
5. まとめ
- B型・A型は職業指導員と生活支援員の総数が利用者数÷10以上、就労移行は÷6以上。それぞれ1人以上、どちらか1人以上は常勤
- 利用者数は前年度の平均値で数える
- B型の基本報酬は6:1・7.5:1・10:1、A型は7.5:1・10:1の人員配置で区分が分かれる
- 基準に資格要件はないが、有資格者の割合は福祉専門職員配置等加算の要件になる
- 退職や利用者数の増加で区分を割り込まないよう、毎月確かめる
人員の数え方や兼務の扱いは、指定権者の解釈で違うことがあります。所在地の都道府県・市の指定申請の手引きで確かめてください。
参考資料
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第78条・第175条・第186条・第199条(e-Gov 法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171
- 厚生労働省 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(令和6年2月6日): https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001204019.pdf

