障害福祉サービスの給付費(介護給付費・訓練等給付費など)は、サービスを提供した月の翌月10日までに、国保連合会の電子請求受付システムで伝送して請求します。 期限と方法は省令で定められていて、障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービスなど)も同じです。
請求は、国保連合会と市町村の審査を経て、原則として請求した月の翌月に支払われます。つまり、サービスを提供してから入金までおよそ2か月かかります。請求を1か月落とすと、その分の入金がさらに1か月遅れます。この記事では、毎月の請求業務を順番に並べ、各段階の詳しい記事への入口として整理します。
1. 請求の決まり
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 請求先 | 審査支払機関(市町村が審査と支払を委託した国民健康保険団体連合会) | 介護給付費等の請求に関する命令 第1条 |
| 方法 | 電子情報処理組織(電子請求受付システム)で、事業所ごとに伝送 | 同 第2条 |
| 期限 | 各月分を翌月10日まで | 同 第5条 |
| 到達の時点 | 審査支払機関のファイルに記録された時 | 同 第5条第2項 |
| 障害児通所支援 | 同じく翌月10日まで、電子情報処理組織で | 障害児通所給付費等の請求に関する内閣府令 第2条・第5条 |
国保連合会の案内では、受付期間は毎月1日から10日までで、紙や電子媒体(CD-Rなど)の郵送・持参は受理されません。10日が休日のときの扱いは国保連合会ごとの日程で決まるので、毎月の「請求受付日程」を確かめます。
2. 毎月の請求業務の流れ
| 時期 | やること |
|---|---|
| サービス提供月 | 受給者証で支給決定と支給量を確かめ、提供の都度、実績を記録し利用者の確認を受ける |
| 月末〜翌月初め | 実績記録票を締め、上限額管理の書類をやり取りする |
| 翌月1日〜10日 | 請求ソフトで明細書を作り、電子請求受付システムで伝送する |
| 翌月10日過ぎ〜中旬 | 仮審査の結果(エラー)を確かめ、受付期間内なら取り下げて送り直す |
| 翌月下旬 | 市町村の審査を経て、支給額が確定する |
| 翌々月(請求の翌月) | 国保連合会から支払。支払決定額通知書と返戻の一覧を確かめる |
京都府国保連合会の案内では、1日〜10日に提出、11日〜18日に支給量の点検、19日に市町村へ審査を依頼し、市町村が19日〜24日に審査、25日に結果を返す、という日程が示されています。細かい日付は国保連合会ごとに違います。
① 受給者証の確認と契約内容の報告
利用の申込みを受けたら、受給者証で支給決定の有無、有効期間、支給量を確かめます(指定障害福祉サービス基準 第14条)。契約したら、サービスの内容と契約支給量などを受給者証に記載し、市町村に遅滞なく報告します(同 第10条)。契約支給量の合計は支給量を超えられません。
受給者証の情報と請求の内容が合っていないと、請求はエラーになり返戻されます。支給決定の更新や区分の変更があったら、請求ソフトの受給者の情報もその月から直します。
② 実績の記録
サービスを提供した際は、提供日と内容などを提供の都度記録し、利用者の確認を受けます(同 第19条)。この記録が請求の根拠になり、運営指導でも確かめられます。書き方は「サービス提供実績記録票の書き方」で整理しています。
③ 上限額管理
利用者が同じ月に複数の事業所を使っている場合は、上限額管理事業所が利用者負担額の合計を算定し、市町村に報告して、ほかの事業所に通知します(同 第22条)。上限額管理の結果は請求の前に確定させる必要があり、管理事業所から結果が届かないと、ほかの事業所も正しく請求できません。流れは「障害福祉サービスの上限額管理」を参照してください。
④ 伝送と仮審査
請求ソフトで明細書(介護給付費・訓練等給付費等明細書など)を作り、電子請求受付システムから送信します。送信後は、受付の結果と仮審査の結果を必ず確かめます。
北海道国保連合会の案内では、10日までに一度でも送信した事業所は、15日頃までに誤りを直して再請求できます。その際は、先に送った同じデータを取り下げてから、その月の全件を送り直す必要があり、取り下げを忘れると重複エラーで全件返戻になるとされています。
⑤ 支払と通知
支払が決まったら、支払決定額通知書と、返戻になった明細の一覧を確かめます。法定代理受領で給付費を受けたときは、利用者に給付費の額を通知します(同 第23条)。
3. 返戻と過誤
| 状態 | 何が起きているか | 直し方 |
|---|---|---|
| 返戻 | 審査でエラーになり、その明細が支払われなかった | 原因を直して、翌月以降の受付期間に請求し直す |
| 過誤 | 支払が決まった後に、請求の誤りが分かった | 市町村に連絡し、市町村が国保連合会に過誤申立。取り下げになった後に正しいデータを請求する |
- 返戻:受給者証との不一致、上限額管理の結果との食い違い、届け出ていない加算の算定などが原因になります。エラーコードごとの原因は「障害福祉の国保連の返戻とエラーコード」で整理しています
- 過誤:北海道国保連合会の案内では、過誤申立は請求の2か月後(支払決定後)から受け付けられます。取り下げた額が当月の請求額を上回ると、当月の入金がなくなり差額を納める「未調整過誤」になります。市町村の過誤申立と同じ月に正しいデータを請求して相殺する「同月過誤」の扱いもあり、市町村と月を合わせて調整します
加算の要件を欠いていたことが運営指導で分かった場合も、過誤の手続きで返還することになります。届出と算定の関係は「障害福祉の体制届(加算届)」を参照してください。
4. 請求業務の落とし穴とチェックリスト
落とし穴
- 電子証明書の期限切れやパスワードの紛失で、10日までに送信できない
- 受給者証の更新を請求ソフトに反映しておらず、有効期間外でエラーになる
- 上限額管理の結果を待たずに請求し、利用者負担額が食い違って返戻になる
- エラーを直して送り直すときに、先のデータを取り下げず重複エラーで全件返戻になる
- 返戻の一覧を見ておらず、請求し直すのを忘れたまま入金が抜ける
チェックリスト
- 毎月の請求日程(締め・上限額管理・送信・仮審査の確認)を決めている
- 受給者証の更新・変更を、その月のうちに請求ソフトへ反映している
- 契約支給量と受給者証の記載を、市町村に報告している
- 電子証明書の有効期限とパスワードを、担当者が交代しても引き継げる形で管理している
- 支払決定額通知書と返戻の一覧を毎月確かめ、請求し直しを管理している
5. まとめ
- 給付費は各月分を翌月10日までに、電子請求受付システムで伝送して請求する(省令で定められている)
- 受付期間は毎月1日〜10日。紙や媒体の持参は受理されない
- 審査を経て、原則として請求した月の翌月に支払。提供から入金までおよそ2か月
- 受給者証・実績記録・上限額管理の3つが合っていないと返戻になる
- 支払後に誤りが分かったら、市町村を通じた過誤申立で直す
請求の日程、休日の扱い、再請求の期間は国保連合会ごとに違います。所在地の国保連合会の「請求受付日程」と、電子請求受付システムのお知らせで確かめてください。
参考資料
- 介護給付費等の請求に関する命令(平成18年厚生労働省令第170号)(e-Gov 法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100170
- 障害児通所給付費等の請求に関する内閣府令(平成18年厚生労働省令第179号)(e-Gov 法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100179
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第10条・第14条・第19条・第22条・第23条(e-Gov 法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171
- 京都府国民健康保険団体連合会「請求から支払までの流れについて」: https://www.kyoto-kokuhoren.or.jp/welfare/request/flow/
- 北海道国民健康保険団体連合会「障害福祉サービス費等の請求に関するよくある質問」: https://www.hokkaido-kokuhoren.or.jp/files/00000400/00000443/20240304141433.pdf

