障害福祉サービスの「サービス提供実績記録票」は、利用者ごとに1か月分の提供の状況(日付、開始・終了時間、欠席、入院・外泊など)と、算定した加算を日ごとに記録し、利用者の確認を受けたうえで、請求の明細書と一緒に国保連へ送る書類です。欄の書き方は、厚生労働省が「報酬算定構造・サービスコード表等」のページで公開している記載例に沿って書きます。
実績記録票の内容は、日々のサービス提供の記録と、請求の明細書の両方と一致している必要があります。 3つのどれかがずれると、返戻や、運営指導での過誤の指導につながります。
この記事は、令和6年度報酬改定・令和8年6月の見直しを踏まえた内容です。厚生労働省の令和8年6月施行分の様式の一覧では、実績記録票は「変更なし」とされています。この記事では、令和7年10月施行分として公開された記載例を使っています。
実績記録票が求められる仕組み
基準が求める記録と確認
指定基準(平成18年厚生労働省令第171号)は、サービスを提供したときに提供日と内容などを記録し、利用者から提供したことについて確認を受けることを求めています。就労継続支援B型は第19条(提供の都度の記録)を、共同生活援助は第53条の2を準用しています。実績記録票は、この「記録」と「確認」を、請求に使う形で1か月分まとめたものです。和歌山市の「実地指導における主な指摘事例」は、サービス提供の記録に書く事項として、利用者名、記録者名、サービス提供の内容(外泊や入院をしている場合はその旨)、利用者の確認(毎月一括で可能)、各種加算に関する事項を挙げています。
押印から確認欄へ
厚生労働省の事務連絡「障害福祉サービス等の支給決定事務等に係る押印を求める手続の見直しについて」(令和2年12月25日)で、実績記録票の「利用者確認印」「保護者等確認印」は「利用者確認欄」「保護者等確認欄」に改められました。同じ事務連絡は、確認欄は、事業者が内容を利用者に説明し、確認をした旨が分かるよう引き続き設けるとしています。押印が無くなったのは手続きの負担を減らすためで、確認そのものが不要になったわけではありません。
なお、居宅介護・行動援護・同行援護・重度訪問介護の実績記録票にあった「サービス提供者確認欄」は、この事務連絡で廃止されています。
欄ごとの書き方:就労継続支援(様式17)
厚生労働省の記載例の「就労継続支援提供実績記録票」(A型・B型共通)の主な欄は次のとおりです。
| 欄 | 書き方(記載例の注記から) |
|---|---|
| 上部の基本情報 | 支給決定障害者氏名、受給者証番号、事業所番号、契約支給量(原則の日数/月) |
| 初期加算 | 利用開始日、30日目の日付、当月の算定日数 |
| 集中的支援加算 | 支援を開始した日 |
| 施設外支援 | 当月の日数と、累計(○日/180日) |
| サービス提供の状況 | 欠席時対応加算を算定する場合に「欠席」と書く |
| 開始時間・終了時間 | その日の提供の開始・終了の時刻 |
| 送迎加算(往・復) | 片道単位で回数を書く |
| 食事提供加算・施設外支援 | 算定した日に記載 |
| 医療連携体制加算 | 算定される区分に応じて「1」〜「4」「6」を書く |
| 体験利用支援加算 | 初日から5日目までは「1」、6日目から15日目までは「2」 |
| 地域協働加算 | 算定する支援を行った日に「1」(B型のみ) |
| 緊急時受入加算・集中的支援加算 | 算定する日に「1」 |
| 利用者確認欄 | 利用者の確認を受ける |
| 備考 | ピアサポート実施加算は備考欄に記載(B型のみ)。記載例には「日報有り(職場体験実習)」のような書き方がある |
加算の欄に記入するのは、その加算の要件を満たす支援をした日だけです。送迎加算の要件は送迎加算の算定要件、B型の個別支援計画との関係はB型の個別支援計画の書き方で整理しています。
欄ごとの書き方:共同生活援助(様式18-1)
「共同生活援助サービス提供実績記録票」は、入居・退居と入院・外泊の記録が中心になります。
| 欄 | 書き方(記載例の注記から) |
|---|---|
| 上部の基本情報 | 入居日、退居日、移行支援住居に入居した日 |
| サービス提供の状況 | 入院・外泊のある日に、その状況を書く(例えば「入院→外泊」「外泊→入院」のように移り変わりも書く)。通常の日は記載不要 |
| 夜間支援等体制加算 | 算定する区分に応じて「1」〜「6」 |
| 入院時支援特別加算・帰宅時支援加算・日中支援加算 | 算定する支援を行った日に記載 |
| 自立生活支援加算 | 算定する支援の区分に応じて記載 |
| 医療連携体制加算 | 区分に応じて「1」〜「4」「6」 |
| 集中的支援加算 | 支援を開始した日を記載 |
| 退居後の支援 | 退居後に算定する場合は、基本情報と退居日、退居後の算定日だけを記載 |
| 利用者確認欄 | 利用者の確認を受ける |
入院・外泊の記録と計画の関係は、グループホームの個別支援計画の書き方で整理しています。
自治体が独自に求める備考の書き方
備考欄の書き方には、自治体独自の取扱いがあります。例えば名古屋市は「請求時におけるサービス提供実績記録票の入力について」で、就労移行支援・就労継続支援で在宅支援を行った場合は備考欄に「在宅支援」、共同生活援助の体験利用時は「体験利用」と入力するよう求めています。自分の指定権者に同じような取扱いがあるかを確かめてください。
毎月の作成と突き合わせの手順
- 日々の記録から転記する:サービス提供の記録(出欠、時間、送迎、食事、入院・外泊)から実績記録票を作る。予定ではなく実際の時刻を書く
- 加算の欄を確かめる:体制届を出している加算か、その日に要件を満たす支援をしたかを1つずつ確かめる
- 利用者に説明し、確認を受ける:月末または翌月初めに、内容を説明して確認欄に記入してもらう
- 明細書と突き合わせる:日数、回数、加算の回数が明細書と一致しているかを確かめる
- 上限額管理の対象者を確かめる:対象の利用者は、上限額管理結果票の数字とも一致させる。手順は上限額管理の進め方を参照
- 国保連へ送る:請求の流れと期限は国保連への請求の流れで整理しています
落とし穴
- 予定の時刻を書く:実際の提供時間と違う時刻を書くと、記録と実績記録票が一致しません
- 送迎を往復で1回と数える:記載例は片道単位で回数を書くよう示しています
- 欠席を何でも書く:記載例で「欠席」と書くのは、欠席時対応加算を算定する場合です。欠席時対応加算の要件(連絡の受付や相談援助の記録など)を満たしているかを確かめてから書きます
- 確認欄が空欄:確認欄の記入を受けないまま請求すると、利用者の確認を受けたことを示せません
- 加算の体制届と食い違う:体制届を出していない加算を記入すると、国保連の審査で警告やエラーになります。エラーの読み方と直し方は国保連の返戻とエラーコードで整理しています
まとめ
- 実績記録票は、1か月分の提供の状況と加算を日ごとに記録し、利用者の確認を受けて明細書と一緒に送る書類
- 令和2年12月の事務連絡で押印は確認欄に変わったが、利用者に説明して確認を受けることは変わらない
- 欄の書き方は厚生労働省の記載例に沿う。令和8年6月施行分は「変更なし」
- 送迎は片道単位、「欠席」は欠席時対応加算を算定する場合、GHは入院・外泊の移り変わりを書く
- 日々の記録・実績記録票・明細書の3つを毎月突き合わせる
運営指導でどう確かめられるかは運営指導(実地指導)の準備で整理しています。
参照した資料
- 厚生労働省「報酬算定構造・サービスコード表等」(掲載ページ)。令和7年10月施行分の「実績記録票(記載例)」(掲載ページ、PDF)、令和8年6月施行分(掲載ページ)
- 厚生労働省 事務連絡「障害福祉サービス等の支給決定事務等に係る押印を求める手続の見直しについて」(令和2年12月25日。WAM NETの掲載)(掲載ページ)
- e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号。第19条、第53条の2)(条文)
- 名古屋市「請求時におけるサービス提供実績記録票の入力について」(PDF)
- 和歌山市「実地指導における主な指摘事例」(PDF)

