障害者グループホーム(共同生活援助)の人員配置基準は、類型で大きく違います。 最も多い介護サービス包括型では、世話人を利用者数÷6以上、生活支援員を「区分3の人数÷9+区分4÷6+区分5÷4+区分6÷2.5」以上、どちらも常勤換算で置きます。サービス管理責任者は利用者30人以下で1人、管理者は常勤で1人です。
夜間の職員配置が基準で義務になっているのは、日中サービス支援型だけです。 日中サービス支援型は、住居ごとに夜間・深夜を通じて1人以上の夜間支援従事者(宿直を除く)を置きます。介護サービス包括型と外部サービス利用型では、夜間の支援体制は夜間支援等体制加算で評価される仕組みです。
この記事では、厚生労働省の基準省令(平成18年厚生労働省令第171号)第208条以下と、解釈通知(障発第1206001号、令和7年3月31日一部改正)にもとづき、3つの類型の人員配置を比べます。年度の根拠は、令和6年度報酬改定・令和8年6月の見直しにもとづいています。
1. 3つの類型の人員配置を比べる
| 職種 | 介護サービス包括型 | 日中サービス支援型 | 外部サービス利用型 |
|---|---|---|---|
| 世話人 | 利用者数÷6以上 | 利用者数÷5以上(夜間・深夜以外) | 利用者数÷6以上 |
| 生活支援員 | 区分3÷9+区分4÷6+区分5÷4+区分6÷2.5以上 | 包括型と同じ式(夜間・深夜以外) | 置かない(介護は外部の居宅介護事業所に委託) |
| 夜間支援従事者 | 基準上の義務なし | 住居ごとに夜間・深夜を通じて1人以上(宿直を除く) | 基準上の義務なし |
| サビ管 | 30人以下で1人、31人以上は30人ごとに1人を加える | 同左 | 同左 |
| 管理者 | 常勤・専従で1人(管理上支障がなければ兼務可) | 同左 | 同左 |
| 常勤の条件 | 管理者 | 従業者のうち1人以上は常勤 | 管理者 |
世話人・生活支援員の数は、いずれも常勤換算で計算します。利用者数は前年度の平均値で、新しく指定を受ける場合は推定数です。従業者は原則として専従ですが、利用者の支援に支障がない場合は例外があります。
外部サービス利用型の世話人は、平成26年4月1日の時点で既に指定を受けていた事業所について、当分の間は10:1とする経過措置があります。
2. 介護サービス包括型の計算例
解釈通知の例にならって、常勤の勤務時間が週40時間の事業所で計算します。
世話人
利用者12人なら、12÷6=2.0で、世話人は常勤換算2.0人以上です。時間に直すと、40時間×2.0=週延べ80時間以上の勤務が必要です。
生活支援員
12人の内訳が区分6が2人・区分5が4人・区分4が6人の場合です。
| 区分 | 人数 | 式 | 常勤換算 | 週の時間(40時間×) |
|---|---|---|---|---|
| 区分6 | 2人 | 2÷2.5 | 0.8人 | 32時間 |
| 区分5 | 4人 | 4÷4 | 1.0人 | 40時間 |
| 区分4 | 6人 | 6÷6 | 1.0人 | 40時間 |
| 合計 | 12人 | - | 2.8人 | 112時間 |
生活支援員は常勤換算2.8人、週延べ112時間以上が必要です。区分1・区分2の利用者は、生活支援員の式には入りません。
区分が1段上がるだけで必要時間が大きく変わることに注意してください。区分4の1人が区分5に変わると、その1人分は40÷6≒6.7時間から40÷4=10時間に増えます。区分6の人は、1人で週16時間分の生活支援員が必要です。
常勤換算の考え方、1人が数えられる時間の上限は障害福祉の常勤換算で整理しています。
夜間・深夜の時間帯は数えない
解釈通知は、夜間・深夜の時間帯は事業所ごとに利用者の生活サイクルに合わせて設定し、それ以外の時間帯に世話人・生活支援員の必要数を確保するとしています。夜間に勤務した時間を日中の世話人・生活支援員の常勤換算に入れることはできません。
3. サービス管理責任者と管理者
サビ管は、利用者30人以下で1人、31人以上は30人を超えて30人またはその端数を増すごとに1人を加えます。生活介護やB型(60人以下で1人)より基準が厚いのが特徴です。
解釈通知は、グループホームのサビ管については常勤換算での員数は求めず、利用者の数に応じて必要な勤務時間を確保すればよいとしています。世話人・生活支援員と兼務することもできますが、入居定員が20人以上の事業所では、できる限り専従のサビ管を置くことが望ましいとされています。
管理者は、事業所ごとに専従・常勤で1人置きます。管理上支障がない場合は、同じ事業所の他の職務や、他の事業所の職務と兼務できます。管理者は、適切な支援を提供するために必要な知識と経験を持つ人でなければなりません。
4. 夜間の配置の扱い
日中サービス支援型
日中サービス支援型は、基準省令第213条の4第2項で、共同生活住居ごとに、夜間・深夜の時間帯を通じて1人以上の夜間支援従事者を置くよう定めています。夜間支援従事者は、夜間・深夜に勤務する世話人または生活支援員で、宿直勤務は含みません。解釈通知は、既存の建物を使って入居定員が11人以上の住居では、原則としてユニットごとに1人以上置くとしています。
このほか、日中サービス支援型は世話人が5:1と包括型より厚く、従業者のうち1人以上は常勤でなければなりません。報酬や短期入所の併設などの要件は日中サービス支援型グループホームで扱っています。
介護サービス包括型・外部サービス利用型
介護サービス包括型と外部サービス利用型には、夜間の職員配置を義務付ける基準はありません。夜間に職員を置いて支援する体制は、夜間支援等体制加算で評価されます。夜勤か宿直か、1人で何人・何住居まで見られるかで区分が分かれるため、要件は夜間支援等体制加算で確かめてください。
夜間に職員を置かない場合も、利用者の急な体調の変化や災害時に連絡を取り、駆けつけられる体制をどう作るかは、運営規程と指定権者の運用で確かめておく必要があります。
5. 令和6年度改定で変わった世話人の配置
令和6年度報酬改定で、世話人の配置に応じて分けていた基本報酬の区分が改められました。 介護サービス包括型の例では、世話人の配置4:1・5:1・6:1の3区分が、6:1の1区分になっています。代わりに、基準の人数に加えて世話人や生活支援員を置いた場合に、人員配置体制加算を算定できるようになりました。加配の比率は類型で違い、介護サービス包括型は12:1・30:1、日中サービス支援型は7.5:1・20:1です。加配の人数は、特定従業者数換算(週40時間で割る)で数えます。
世話人を厚く置いている事業所は、改定前は基本報酬で評価されていた部分が、いまは加算で評価されます。グループホームで取れる加算の全体はグループホームの加算一覧で整理しています。
令和8年6月以降に新しく指定を受ける介護サービス包括型・日中サービス支援型には、基本報酬に1000分の972を掛ける特例が設けられています。住居を増やす計画がある法人は、指定の時期と報酬を合わせて確かめてください。
6. 住居と入居定員の基準
人員配置と合わせて、住居の基準も押さえておきます。
- 共同生活住居の入居定員は2人以上10人以下(既存の建物を使う場合は20人以下、都道府県知事が特に認めれば30人以下)
- 事業所全体の入居定員の合計は4人以上
- ユニットの入居定員は2人以上10人以下
- 居室の面積は収納設備を除いて7.43平方メートル以上
- サテライト型住居の入居定員は1人
チェックリスト
- 世話人の必要数を、区分にかかわらず全利用者で計算している
- 生活支援員の必要数を、区分3〜6の人数ごとに計算して合計している
- 夜間・深夜の時間帯を事業所として決め、その時間の勤務を日中の常勤換算に入れていない
- サビ管が30人ごとに必要な数いる
- 管理者が常勤で、兼務の範囲を説明できる
- 日中サービス支援型なら、住居ごとに夜勤の夜間支援従事者がいる(宿直ではない)
- 障害支援区分の更新の結果が出たら、生活支援員の必要数を計算し直している
7. 落とし穴
- 区分の更新で生活支援員が足りなくなる:区分が上がると必要時間が増えます。区分6の人が1人入居すると、それだけで週16時間分の生活支援員が必要です
- 夜間の勤務を日中に数える:夜勤者が朝の支援に入った時間は、夜間・深夜の時間帯の設定次第で日中の常勤換算に入るかが変わります。時間帯の設定と勤務表の記録を合わせてください
- 宿直を夜間支援従事者に数える:日中サービス支援型の夜間支援従事者は、宿直勤務を含みません
- 住居の追加で利用者数が増える:新しい住居の利用者は推定数で計算します。住居を増やす月から必要時間が増えることを見込んでおきます
人員が基準を下回った場合の減算の割合と始まる月は、障害福祉の減算一覧で確かめてください。
8. まとめ
- 介護サービス包括型:世話人は利用者数÷6、生活支援員は区分3÷9+区分4÷6+区分5÷4+区分6÷2.5の合計(いずれも常勤換算)
- 日中サービス支援型:世話人は÷5、住居ごとに夜間・深夜を通じて夜間支援従事者1人以上(宿直を除く)、従業者のうち1人以上は常勤
- 外部サービス利用型:世話人は÷6、生活支援員は置かず外部に委託
- サビ管は30人以下で1人、31人以上は30人ごとに1人を加える
- 包括型・外部型の夜間の体制は、夜間支援等体制加算で評価される
- 令和6年度改定で世話人の配置による報酬区分は改められ(包括型は6:1の1区分に)、厚く置いた分は人員配置体制加算で評価される
参考資料
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第208条〜第213条の14: https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について(障発第1206001号、令和7年3月31日一部改正): https://www.mhlw.go.jp/content/001494357.pdf
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」: https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001204019.pdf

