生活介護の人員配置基準は、看護職員・理学療法士等・生活支援員の総数を、利用者の平均障害支援区分に応じて決まる数以上、常勤換算で置くことが中心です。 平均障害支援区分が4未満なら利用者数÷6、4以上5未満なら÷5、5以上なら÷3です。このうち看護職員と生活支援員はそれぞれ1人以上必要で、生活支援員のうち1人以上は常勤でなければなりません。
B型や就労移行のように利用者数だけで決まるのではなく、利用者の障害支援区分の構成で必要数が大きく変わるのが生活介護の特徴です。利用者20人の事業所でも、平均区分が4.9なら4.0人、5.0なら6.66…人と、2.6人以上の差が出ます。
この記事では、厚生労働省の基準省令(平成18年厚生労働省令第171号)第78条と、解釈通知(障発第1206001号、令和7年3月31日一部改正)にもとづき、最低ラインの計算に絞って整理します。年度の根拠は、令和6年度報酬改定・令和8年6月の見直しにもとづいています。基準より厚く置いたときに取れる加算は生活介護の人員配置体制加算で扱っています。
1. 生活介護に置く職種と条件
基準省令第78条は、生活介護事業所に次の職種を置くよう定めています。
| 職種 | 必要な数 | 条件 |
|---|---|---|
| 管理者 | 1人 | 専従が原則(管理上支障がなければ兼務可) |
| 医師 | 健康管理・療養上の指導に必要な数 | 嘱託医でも可。条件を満たせば置かないことも可 |
| 看護職員 | 1人以上 | 下の総数に含めて数える |
| 理学療法士・作業療法士等 | 機能訓練を行う場合に必要な数 | 確保が困難なら機能訓練指導員で代替可 |
| 生活支援員 | 1人以上 | 1人以上は常勤 |
| 上の3職種の総数 | 平均障害支援区分に応じて利用者数÷6・÷5・÷3以上(常勤換算) | 生活介護の単位ごとに置く |
| サービス管理責任者 | 利用者60人以下で1人、61人以上は40人ごとに1人を加える | 1人以上は常勤 |
看護職員・理学療法士等・生活支援員は、3職種の合計で必要数を満たせばよい仕組みです。看護職員が1人いれば、残りを生活支援員で満たしても構いません。
医師の扱い
解釈通知は、医師は嘱託医でもよいとしています。さらに、看護師等が利用者の健康状態の把握や健康相談を行い、必要に応じて医療機関への通院で対応できる場合は、医師を置かないことも認めています。医師を置かない場合の報酬上の扱いは、報酬告示と指定権者の資料で確かめてください。
機能訓練指導員での代替
理学療法士や作業療法士の確保が困難な場合は、看護師その他の機能訓練を行う能力を持つ者を機能訓練指導員として置けば代えられます(第78条第4項)。解釈通知は、看護師のほか柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師を例に挙げ、日常生活の中で行う機能訓練であれば生活支援員が兼務してもよいとしています。
2. 平均障害支援区分の計算
必要数を決める平均障害支援区分は、解釈通知が次の式で出すとしています。
{(2×区分2の利用者数)+(3×区分3の利用者数)+(4×区分4の利用者数)+(5×区分5の利用者数)+(6×区分6の利用者数)}÷ 総利用者数
結果は小数点第2位以下を四捨五入して、小数点第1位までで判定します。特定旧法受給者など、告示で除くとされている利用者は計算から外します。
計算例
例えば、利用者20人の内訳が次のような場合です。
| 区分 | 人数 | 区分×人数 |
|---|---|---|
| 区分6 | 6人 | 36 |
| 区分5 | 6人 | 30 |
| 区分4 | 5人 | 20 |
| 区分3 | 3人 | 9 |
| 合計 | 20人 | 95 |
95÷20=4.75で、小数点第2位を四捨五入して4.8です。4以上5未満なので、3職種の総数は利用者数÷5で計算します。
ここで区分4の利用者のうち1人が区分5に変わると、合計は96、96÷20=4.8で変わりません。さらに区分3の1人が区分6に変わると、合計は99、99÷20=4.95で四捨五入すると5.0になり、必要数の計算が÷3に切り替わります。境目の4.95・3.95前後の事業所は、区分の変更1件で必要数が大きく動くので、区分の更新の時期を把握しておくことが大切です。
3. 利用者数の数え方と定員別の早見表
必要数の計算に使う利用者数は、前年度の平均値です。前年度の利用者の延べ数を開所日数で割り、小数点第2位以下を切り上げます。
生活介護には、ほかのサービスにない数え方があります。解釈通知は、報酬の所要時間が3時間以上5時間未満の利用者は2分の1、5時間以上7時間未満の利用者は4分の3として延べ数に数えるとしています。短時間の利用者が多い事業所は、実人数より利用者数が小さくなります。
新設や増床から6か月未満の間は、利用定員の90%を利用者数とし、そこにも時間区分の2分の1・4分の3を掛けます。
利用者数ごとの3職種の総数(常勤換算)は次のとおりです。
| 利用者数 | 平均区分4未満(÷6) | 4以上5未満(÷5) | 5以上(÷3) | サビ管 |
|---|---|---|---|---|
| 20人 | 3.33…人 | 4.0人 | 6.66…人 | 1人 |
| 30人 | 5.0人 | 6.0人 | 10.0人 | 1人 |
| 40人 | 6.66…人 | 8.0人 | 13.33…人 | 1人 |
| 60人 | 10.0人 | 12.0人 | 20.0人 | 1人 |
割り切れない場合は、計算結果以上の常勤換算が必要です。端数の書き方は指定権者の様式に従ってください。常勤換算の出し方は障害福祉の常勤換算で整理しています。
単位を分けている場合
生活介護を複数の単位に分けて行っている事業所は、単位ごとに平均障害支援区分を出し、単位ごとに必要数を置きます。事業所全体の平均で1回だけ計算するのではありません。
4. サービス管理責任者の数と兼務
サビ管は、利用者60人以下で1人、61人以上は40人ごとに1人を加えます。1人以上は常勤です。
解釈通知は、サビ管は原則として直接支援にあたる職員とは別に置くとしています。利用者の支援に支障がなければ生活支援員などとの兼務はできますが、兼務先の常勤換算にサビ管として働いた時間を入れることはできません。 例外として、利用定員20人未満の事業所では入れてよいとされています(定員を細かく分けて適用することは認められません)。
また、サビ管1人が担当できるのは合計60人までで、この範囲であれば、同じ法人のグループホームなどのサビ管を兼務することもできます。
5. 配置を確かめる手順
- 前年度の平均利用者数を出す:延べ数に時間区分の2分の1・4分の3を反映し、開所日数で割ります
- 平均障害支援区分を出す:単位ごとに計算し、小数点第2位以下を四捨五入します
- 3職種の総数の必要数を出す:÷6・÷5・÷3のどれで割るかを決めます
- 職種ごとの最低数を確かめる:看護職員1人以上、生活支援員1人以上(うち1人以上は常勤)
- サビ管の時間を分ける:定員20人以上なら、サビ管の時間は3職種の常勤換算に入れません
- 加算の配置と比べる:人員配置体制加算の比率(1.5:1〜2.5:1)まで届くかを確かめます
チェックリスト
- 平均障害支援区分を、単位ごとに小数点第1位まで出している
- 平均区分の境目(4.0・5.0)との距離を把握している
- 利用者数に時間区分の2分の1・4分の3を反映している
- 看護職員が1人以上いる
- 生活支援員のうち1人以上が常勤である
- サビ管の時間を二重に数えていない
- 医師を置かない場合、看護師等による健康管理の体制を説明できる
6. 落とし穴
- 区分の更新を見落とす:障害支援区分の更新で平均区分が5.0に上がると、必要数は÷5から÷3に切り替わります。更新の結果が出たら、その都度平均区分を計算し直してください
- 実人数で利用者数を数える:短時間の利用者を1人として数えると、必要数を多く見積もります。反対に、短時間の利用者が減って長時間の利用者が増えると、利用者数が増えて必要数が上がります
- 看護職員の退職:看護職員が0人になると、3職種の総数が足りていても基準を満たしません。欠員が出た月の扱いは人員欠如減算の対象になるため、障害福祉の減算一覧で割合と始まる月を確かめてください
- 加算と基準を混同する:人員配置体制加算の配置比率は、基準の÷6・÷5・÷3とは別の計算です。加算を取れていても、区分の構成によっては基準を別に確かめる必要があります。生活介護で取れる加算の全体は生活介護の加算一覧で整理しています
7. まとめ
- 看護職員・理学療法士等・生活支援員の総数を、平均障害支援区分に応じて利用者数÷6・÷5・÷3以上置く
- 平均障害支援区分は(2×区分2の人数+…+6×区分6の人数)÷総利用者数で、小数点第2位以下を四捨五入
- 看護職員・生活支援員はそれぞれ1人以上、生活支援員のうち1人以上は常勤
- 利用者数は前年度の平均値で、3〜5時間未満は2分の1、5〜7時間未満は4分の3として数える
- サビ管は60人以下で1人。定員20人以上なら、サビ管の時間を他職種の常勤換算に入れない
- 計算の時点や端数の書き方は、指定権者の様式で確かめる
参考資料
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第78条: https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について(障発第1206001号、令和7年3月31日一部改正): https://www.mhlw.go.jp/content/001494357.pdf
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」: https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001204019.pdf

