家族支援加算は、保護者やきょうだいへの相談援助を、あらかじめ計画に位置づけて行ったときに算定する加算です。個別の(Ⅰ)とグループの(Ⅱ)があり、それぞれ1日1回・月4回まで算定できます。単位数は、(Ⅰ)が居宅訪問1時間以上300単位・1時間未満200単位、事業所などでの対面100単位、オンライン80単位、(Ⅱ)が対面80単位、オンライン60単位です(令和8年度の報酬算定構造。児童発達支援・放課後等デイサービスで同じ)。

算定の分かれ目は、計画に書いてあるか、30分以上か、相談援助として記録があるかの3点です。家族からの急な電話への対応や、モニタリングの面談は対象になりません。以下、根拠は障害児通所支援の留意事項通知(平成24年3月30日障発0330第16号、最終改正はこ支障第88号(令和8年3月31日))の第二の2の(1)の⑤(放課後等デイサービスは(3)の⑥で準用)と、こども家庭庁の令和6年度報酬改定Q&Aです。


1. 仕組み:何を評価する加算か

令和6年度の報酬改定で、それまでの家庭連携加算と事業所内相談支援加算が家族支援加算にまとめられました。子どもの支援と同じくらい、家族が子育てを続けられるようにする支援を評価する考え方です。

留意事項通知が示す基本は次のとおりです。

  • 対象は障害児の家族(きょうだいを含む)。子どもが同席していなくても算定できます。
  • あらかじめ保護者の同意を得て、通所支援計画に位置づけて、計画的に相談援助を行ったときに算定します。
  • 支援を提供しなかった日に相談援助をしても算定できますが、その子どもに支援を一度も提供しない月は算定できません。
  • 相談援助の日時と内容の要点を記録します。

2. 区分と単位数

区分方法単位数(1回)
(Ⅰ)個別居宅を訪問(1時間以上)300単位
(Ⅰ)個別居宅を訪問(1時間未満)200単位
(Ⅰ)個別事業所等で対面100単位
(Ⅰ)個別オンライン80単位
(Ⅱ)グループ事業所等で対面80単位
(Ⅱ)グループオンライン60単位

(Ⅰ)と(Ⅱ)は、それぞれ全体で1日1回・月4回が上限です。同じ日に(Ⅰ)と(Ⅱ)の両方を行えば、どちらも算定できます。

2-1. 30分の線

  • 相談援助が30分に満たない場合は算定できません。
  • 例外は(Ⅰ)の居宅訪問です。家族の状況から短時間でも訪問が必要な場合や、家族側の事情で30分未満になった場合は、1時間未満の区分で算定できます。ただしQ&A(VOL.1 問28)は、事前の計画では30分以上になるよう設定するよう求めています。
  • 事業所での個別の相談援助と、グループの相談援助は、30分未満なら例外なく算定できません。

3. 判断材料:算定できる・できないの早見表

場面算定
計画に位置づけ、事業所で保護者と40分面談(Ⅰ)対面100単位
保護者の同意を得て保育所・学校を訪問し、そこで子どもと家族に相談援助(Ⅰ)対面100単位(保育所等の同意も要る)
ビデオ通話で表情を見ながら相談(Ⅰ)オンライン80単位
家族の通信環境の都合でやむを得ず電話で相談(Ⅰ)オンラインとして算定可(個別のみ)
保護者から急に電話があり、その場で相談に乗った算定できない(突発的な相談は対象外)
モニタリングのための面談、計画・利用料の説明算定できない
保護者3人とペアレントトレーニングを45分(Ⅱ)対面80単位(1組2〜8人)
外部講師の講座を開き、職員は受付だけ算定できない(職員が相談援助に加わる必要あり)

グループの(Ⅱ)は、2人から8人までを1組として行います。同じ世帯から複数人が参加しても1と数えます。ペアレントトレーニングや保護者同士のピアの取組を想定しており、その知識や家族支援の経験がある職員の下で行うことが望ましいとされています。

オンラインは、原則として家族や子どもの表情などが分かる状態で行います。通信料などで家族に負担がかからないよう、事前に通信環境を確かめておきます。


4. 打ち手:計画・人・記録

4-1. 計画への書き方

計画には「必要に応じて相談援助」のような書き方ではなく、何のために、どの方法で、どのくらいの頻度で行うかを書きます。例えば「家庭での食事場面の関わり方について、月1回、事業所で対面の相談援助を行う」のように書くと、目的と方法が分かります。留意事項通知は「計画的に」行うことを求めており、中身の分からない書き方では、計画に位置づけた相談援助だと説明しにくくなります。

4-2. 誰が相談援助をするか

Q&A(VOL.1 問29)は、相談援助を行う職員は基準上の従業者に限らないが、適切に家族支援ができる従業者が行い、基準上の従業者を中心に事業所として支える体制で進めるよう示しています。

注意したいのは、子どもが支援を受けている時間帯です。Q&A(VOL.4 問4)は、その時間帯に相談援助を行う職員は、支援の単位ごとに必要な児童指導員・保育士には含まれないとしています。基準の人員として配置している児童指導員・保育士が相談を受けると、配置が欠けることになります。その時間帯は、例えば児童発達支援管理責任者が相談を受けるなどの対応を検討します。

4-3. 記録

  • 日時(開始と終了)と方法(訪問・対面・オンライン・グループ)
  • 相手(保護者、きょうだいなど)と、グループなら参加人数
  • 相談内容の要点と、支援に反映すること

時間を書いておくと、30分や1時間の線を後から確かめられます。


5. 落とし穴

  • 多機能型での数え方:児童発達支援と放課後等デイサービスなどを一体で行う多機能型では、同じ子どもの家族への相談援助の回数は各サービスを通算し、月4回が上限です。
  • 子育てサポート加算との関係:同じ日に算定できますが、子育てサポート加算の時間の中で行った相談援助を家族支援加算にすることはできません。
  • 支援の無い月:その子どもに一度も支援を提供していない月は算定できません。
  • 30分未満の対面・グループ:例外はありません。
  • 電話で済ませたグループ:電話でもよいとされるのは個別のオンラインのやむを得ない場合です。

加算全体の取り方は放課後等デイサービスの加算一覧に、欠席した日の連絡や相談援助の扱いは欠席時対応加算の算定要件にまとめています。学校や保育所との会議を評価する加算は関係機関連携加算の要件で扱っています。事業所の家族支援の方針は、公表が義務になっている支援プログラムにも書く項目です。

様式や記録の細かい求め方は、指定権者によって違う場合があります。迷うときは指定権者の公表資料や窓口で確かめてください。


まとめ

  • 家族支援加算は、計画に位置づけた家族(きょうだいを含む)への相談援助を評価する
  • (Ⅰ)個別は300・200・100・80単位、(Ⅱ)グループは80・60単位。それぞれ1日1回・月4回まで
  • 30分未満は算定できない。例外は居宅訪問の1時間未満の区分だけ
  • 急な電話、モニタリングの面談、職員が加わらない講座は対象外
  • 支援中の時間帯に、基準の人員の児童指導員・保育士が相談を受けない

参考資料