障害福祉の処遇改善加算(福祉・介護職員等処遇改善加算)の額は、処遇改善加算を除いた1か月の総単位数に、サービスごとの加算率を掛けて求めます。 加算率は、令和8年6月から上がり、上乗せの区分(Ⅰロ・Ⅱロ)が加わりました。相談支援(計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援)には、加算率5.1%の加算が新設されています。

この記事では、厚生労働省・こども家庭庁の通知「福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月31日)の別紙1にもとづいて、サービス別の加算率を一覧にします。6月からの変更点の全体は「令和8年6月からの処遇改善加算の変更点」で扱っています。


1. 令和8年6月以降の加算率(別紙1 表1-2)

訪問系・日中活動系・施設系

サービスⅠイⅠロⅡイⅡロⅢⅣ
居宅介護44.6%45.6%43.1%44.1%37.6%30.2%
重度訪問介護37.2%38.2%35.7%36.7%30.2%24.8%
同行援護44.6%45.6%43.1%44.1%37.6%30.2%
行動援護41.1%42.1%39.6%40.6%34.1%27.7%
重度障害者等包括支援25.2%26.2%――19.1%16.7%
生活介護9.3%9.7%9.2%9.6%7.9%6.7%
施設入所支援18.6%19.3%――16.5%14.2%
短期入所18.6%19.3%――16.5%14.2%
療養介護16.4%17.1%16.2%16.9%14.3%12.6%
自立訓練(機能訓練)16.4%17.1%16.0%16.7%12.4%10.6%
自立訓練(生活訓練)16.4%17.1%16.0%16.7%12.4%10.6%
宿泊型自立訓練16.4%17.1%16.0%16.7%12.4%10.6%

就労系・居住系

サービスⅠイⅠロⅡイⅡロⅢⅣ
就労選択支援11.5%11.9%11.3%11.7%9.8%8.1%
就労移行支援11.5%11.9%11.3%11.7%9.8%8.1%
就労移行支援(養成施設)11.5%11.9%11.3%11.7%9.8%8.1%
就労継続支援A型10.8%11.2%10.6%11.0%9.1%7.5%
就労継続支援B型10.5%10.9%10.3%10.7%8.8%7.4%
就労定着支援11.5%11.9%――9.8%8.1%
自立生活援助11.5%11.9%11.3%11.7%9.8%8.1%
共同生活援助(介護サービス包括型)16.3%16.9%16.0%16.6%14.4%12.1%
共同生活援助(日中サービス支援型)16.3%16.9%16.0%16.6%14.4%12.1%
共同生活援助(外部サービス利用型)22.7%23.3%22.4%23.0%20.8%16.8%

障害児支援

サービスⅠイⅠロⅡイⅡロⅢⅣ
児童発達支援15.2%15.8%14.9%15.5%13.9%11.7%
医療型児童発達支援(※)19.7%20.3%19.4%20.0%18.4%15.0%
放課後等デイサービス15.5%16.1%15.2%15.8%14.2%11.9%
居宅訪問型児童発達支援15.0%15.6%――13.9%11.7%
保育所等訪問支援15.0%15.6%――13.9%11.7%
福祉型障害児入所施設30.5%32.0%30.1%31.6%26.2%23.5%
医療型障害児入所施設28.5%30.0%28.1%29.6%24.2%22.1%

※ 旧指定医療型児童発達支援事業所または旧指定発達支援医療機関で、肢体不自由児または重症心身障害児に行う指定児童発達支援。

障害者支援施設が行う日中活動系サービス

サービスⅠイⅠロⅢⅣ
生活介護11.3%11.7%9.6%7.9%
自立訓練(機能訓練)15.1%15.8%12.5%10.7%
自立訓練(生活訓練)15.1%15.8%12.5%10.7%
就労移行支援11.9%12.3%10.1%8.3%
就労継続支援A型11.7%12.1%9.9%8.1%
就労継続支援B型11.6%12.0%9.8%8.1%

「―」は、配置等要件(キャリアパス要件Ⅴ)に当たる加算がないため、ⅠとⅡを分けていないサービスです。

相談支援(別紙1 表1-4)

サービス加算率
計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援(地域移行支援・地域定着支援)5.1%

2. 令和8年4・5月の加算率(別紙1 表1-1)

令和8年4月・5月は、令和7年度と同じ区分(Ⅰ〜Ⅳ)で算定しました。主なサービスは次のとおりです。

サービスⅠⅡⅢⅣ
居宅介護41.7%40.2%34.7%27.3%
生活介護8.1%8.0%6.7%5.5%
就労継続支援A型9.6%9.4%7.9%6.3%
就労継続支援B型9.3%9.1%7.6%6.2%
共同生活援助(介護サービス包括型)14.7%14.4%12.8%10.5%
児童発達支援13.1%12.8%11.8%9.6%
放課後等デイサービス13.4%13.1%12.1%9.8%

相談支援は、4月・5月は算定の対象外(0%)でした。


3. 加算額の計算の仕方

国の通知は、加算の単位数を次のように定めています。

処遇改善加算の単位数 =(基本サービス費+各種加算減算(処遇改善加算を除く))の1か月の総単位数 × 加算率

計算の例を見てみます(数字は説明のための仮の値です)。

項目例
サービス就労継続支援B型
処遇改善加算を除く1か月の総単位数200,000単位
地域区分の単価1単位10円とする
区分加算率加算の単位数1か月の加算額
Ⅰロ10.9%21,800単位218,000円
Ⅰイ10.5%21,000単位210,000円
Ⅱロ10.7%21,400単位214,000円
Ⅱイ10.3%20,600単位206,000円
Ⅲ8.8%17,600単位176,000円
Ⅳ7.4%14,800単位148,000円

この例では、ⅣからⅢに上げると月2万8千円、Ⅱイから Ⅱロに上げると月8千円、加算が増えます。実際の単位数の端数処理と地域区分の単価は、請求ソフトと指定権者の案内で確かめてください。

区分を上げるときは、増える加算額と、要件をそろえる手間を並べて判断します。 たとえばⅢからⅡイに上げるにはキャリアパス要件Ⅳ(または職場環境等要件を全体で14以上)が、ⅡイからⅠイに上げるにはキャリアパス要件Ⅴ(福祉専門職員配置等加算などの届出)が要ります。要件の中身は「障害福祉のキャリアパス要件」で整理しています。


4. 加算率を見るときの注意

  • 加算率はサービスごとの常勤換算職員数にもとづいて設定されています。人の多いサービスほど率が高いのはそのためです
  • 月額賃金改善要件は加算Ⅳの額で見る:どの区分を算定していても、加算Ⅳを算定したと仮定した額の2分の1以上を基本給等の改善に充てます。上の例ならⅣの額148,000円の半分の74,000円以上が、1か月の基本給等の改善の目安です
  • Ⅰロ・Ⅱロの特例要件(ウ)はⅡロの額で見る:加算Ⅱロの加算額の2分の1以上を基本給等の改善に充てます(Ⅱロの率がないサービスはⅠロの額)
  • 4・5月と6月以降で率が違う:令和8年度の賃金改善の計画と実績報告では、月ごとの率の違いを踏まえて加算額を合計します

実績報告での加算額と賃金改善額の突き合わせは「処遇改善加算の実績報告」、配分の考え方は「処遇改善加算の計算方法と配分」を参照してください。

チェックリスト

  • 自事業所のサービスごとに、6月以降の区分と加算率を確かめた
  • 処遇改善加算を除いた総単位数から、加算の単位数を試算した
  • 加算Ⅳ相当額の2分の1以上を基本給等の改善に充てている
  • Ⅰロ・Ⅱロの場合、Ⅱロ(またはⅠロ)相当額の2分の1以上を基本給等に充てている
  • 区分を上げた場合の差額と、要件をそろえる手間を並べて比べた

5. まとめ

  • 加算額は、処遇改善加算を除いた1か月の総単位数×加算率で計算する
  • 令和8年6月から加算率が上がり、Ⅰロ・Ⅱロが加わった。相談支援は5.1%
  • 配置等要件に当たる加算がないサービスは、ⅠとⅡを分けていない
  • 月額賃金改善要件は加算Ⅳの額、特例要件の基本給等への配分はⅡロ(またはⅠロ)の額で見る

加算率は報酬改定のたびに変わります。最新の通知と、指定権者の案内で確かめてください。

参考資料