放課後等デイサービス・児童発達支援の個別サポート加算は「どんな子どもを受け入れたか」を、専門的支援体制加算は「理学療法士等を加配した体制」を、専門的支援実施加算は「専門職が計画にもとづいて行った個別・集中的な支援」を評価する加算です。どれも令和6年度障害福祉サービス等報酬改定で大きく組み替えられ、令和8年度の改定では見直されていません。
- 個別サポート加算(Ⅰ):著しく重度の子ども・ケアニーズの高い子ども。児童発達支援120単位、放課後等デイサービス90単位(研修修了者の支援で+30単位)または120単位(1日につき)
- 個別サポート加算(Ⅱ):要保護児童・要支援児童。関係機関と6か月に1回以上情報を共有して150単位(1日につき)
- 個別サポート加算(Ⅲ):放課後等デイサービスだけ。不登校の子どもに学校・家族と連携して70単位(1日につき)
- 専門的支援体制加算:基準の人員と児童指導員等加配加算の人員に加えて、理学療法士等を常勤換算で1以上配置。定員10人以下の事業所で123単位(1日につき)
- 専門的支援実施加算:専門的支援実施計画にもとづく30分以上の支援で150単位(1回につき)。月利用日数に応じて月2〜6回まで
出典は、児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成24年厚生労働省告示第122号。以下「報酬告示」)と、その留意事項通知(令和8年3月31日こ支障第88号による改正後)、令和6年度報酬改定のQ&Aです。
3つの加算の関係:何を評価しているか
| 加算 | 評価の対象 | 算定の単位 | 対象サービス |
|---|---|---|---|
| 個別サポート加算(Ⅰ) | 重度・ケアニーズの高い子どもを受け入れて支援したこと | 1日につき | 児童発達支援・放課後等デイサービス |
| 個別サポート加算(Ⅱ) | 要保護・要支援の子どもを関係機関と連携して支援したこと | 1日につき | 児童発達支援・放課後等デイサービス |
| 個別サポート加算(Ⅲ) | 不登校の子どもを学校・家族と連携して支援したこと | 1日につき | 放課後等デイサービス |
| 専門的支援体制加算 | 理学療法士等を加配した体制 | 1日につき(利用した子ども全員) | 児童発達支援・放課後等デイサービス |
| 専門的支援実施加算 | 専門職による計画的な個別の支援 | 1回につき(月の上限あり) | 児童発達支援・放課後等デイサービス |
専門的支援体制加算と専門的支援実施加算は併せて算定できます(こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要」)。人員配置の加算の全体像は、児童指導員等加配加算との関係もあわせて確認してください。専門的支援体制加算は、児童指導員等加配加算の算定に必要な人員にさらに加えて配置することが要件です。
個別サポート加算(Ⅰ):重度・ケアニーズの高い子ども
児童発達支援:120単位
令和6年度改定で、従来の個別サポート加算(Ⅰ)(100単位。乳幼児等サポート調査表で判定)は基本報酬に包括化され、乳幼児等サポート調査表は廃止されました。改定後は、著しく重度の障害児を支援した場合に1日120単位を算定します。対象は次のいずれかです(留意事項通知)。
- 重症心身障害児(重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複している子ども)
- 1級または2級の身体障害者手帳の交付を受けている子ども
- 療育手帳で最重度または重度と判定されている子ども
- 1級の精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている子ども
重症心身障害児以外は、手帳の交付が要件で、診断書などは要件になりません。身体障害は肢体不自由に限らず、内部障害なども対象です(令和6年度改定Q&A VOL.1 問43)。主として重症心身障害児を通わせる事業所で、重症心身障害児の基本報酬を算定している場合は算定しません。
放課後等デイサービス:90単位・+30単位・120単位
放課後等デイサービスは、就学児サポート調査表にもとづき市町村が認めた子どもが対象です(留意事項通知)。
| 区分 | 対象 | 単位数 |
|---|---|---|
| ケアニーズの高い就学児 | 就学児サポート調査表の各項目の点数(0〜2点)の合計が13点以上 | 90単位 |
| 同上+研修修了者の支援 | 上の子どもに、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の修了者が支援 | +30単位(計120単位) |
| 著しく重度の就学児 | 食事・排せつ・入浴・移動のうち3以上の日常生活動作で全介助が必要 | 120単位 |
改定前は、どちらの子どもも100単位でした。令和6年度改定で、ケアニーズの高い子どもは90単位に下がり、基礎研修の修了者が支援すれば120単位になる形に変わりました。
+30単位の要件と注意点は次のとおりです。
- 基礎研修の修了者の配置は、常勤換算でなく単なる配置で可。ただし児童発達支援管理責任者は不可(改定事項の概要)
- 施設基準に適合するものとして都道府県への届出が必要
- 強度行動障害児支援加算を算定している子どもには、+30単位は算定できない。90単位・120単位そのものは、強度行動障害児支援加算と併せて算定できる(令和6年度改定Q&A VOL.2・令和6年4月12日 問7)
- 外部から派遣された者による支援では算定できない(Q&A VOL.3 問9)
強度行動障害のある子どもへの支援を評価する加算は、強度行動障害児支援加算の要件で整理しています。
個別サポート加算(Ⅱ):要保護児童・要支援児童(150単位)
児童相談所やこども家庭センターなどの公的機関、要保護児童対策地域協議会、医師(以下「連携先機関等」)と連携して支援した場合に、1日150単位を算定します。令和6年度改定で125単位から150単位に上がり、情報共有の頻度が「年1回以上」から「6か月に1回以上」に変わりました。
留意事項通知の要件は次のとおりです。
- 連携先機関等と、その子どもが要保護児童・要支援児童であるという認識や、支援の状況を共有しながら支援する
- 共有は6か月に1回以上行い、その記録を文書で保管する。文書は、連携先機関等が作成したもの、または事業所が作成して連携先機関等と共有しているなど双方で共有しているものに限る。口頭のやりとりを事業所がメモしただけの文書は対象にならない
- 連携しながら支援することを個別支援計画に位置付け、保護者の同意を得る
- 市町村から連携や支援の状況について確認があれば回答する
- 同じ観点からの関係機関との連携について、関係機関連携加算(Ⅲ)は算定しない
通知は、支援の必要性を保護者に説明することが適当ではない場合があるため、加算の趣旨を理解したうえで算定を慎重に検討するよう求めています。同意の取り方に迷う場合は、連携先機関等と相談してから進めてください。
個別サポート加算(Ⅲ):不登校の子ども(放デイのみ・70単位)
令和6年度改定で新設された加算です。不登校の状態にある子どもに、学校・家族と緊密に連携して支援した場合に1日70単位を算定します。
対象になる子どもは、心理的・情緒的・身体的・社会的な要因や背景によって登校しない、または登校したくてもできない状況にあり、長期間、継続的または断続的に欠席している子ども(病気や経済的な理由による者を除く)で、学校と情報共有を行い、事業所と学校の間で緊密な連携が必要と判断された子どもです。事業所だけの判断で決めるものではありません(Q&A VOL.1 問49)。
要件は次のとおりです(留意事項通知)。
- あらかじめ保護者の同意を得て、学校と連携して作成した個別支援計画に位置付ける
- 学校との情報共有を月1回以上(対面またはオンライン)。日時と要点の記録を作り、学校に共有する
- 家族への相談援助を月1回以上(訪問・対面・オンライン、いずれも個別)。日時と要点を記録する
- 学校との情報共有のたびに不登校の状態を確認し、加算による支援を続けるかを学校と検討する
- 市町村(教育関係部局・障害児関係部局)から確認があれば回答する
- この学校との連携と家族への相談援助について、関係機関連携加算(Ⅰ)(Ⅱ)と家族支援加算(Ⅰ)は算定できない
学校との連携の進め方は、学校との連携のつくり方も参考にしてください。
専門的支援体制加算:理学療法士等の加配(1日につき)
令和6年度改定で、従来の専門的支援加算と特別支援加算(1回54単位)を統合し、体制を評価する加算と実施を評価する加算の2段階に組み替えました。
単位数
| 事業所の種類 | 利用定員 | 単位数 |
|---|---|---|
| 児童発達支援事業所・放課後等デイサービス | 10人以下 | 123単位 |
| 同上 | 11〜20人 | 82単位 |
| 同上 | 21人以上 | 49単位 |
| 主として重症心身障害児を通わせる事業所(重症心身障害児) | 5人/6人/7人/8人/9人/10人/11人以上 | 247/206/176/154/137/123/82単位 |
| 児童発達支援センター | 30人以下〜81人以上 | 41〜15単位 |
要件
- 基準で置くべき従業者の員数(児童指導員等加配加算を算定している場合はその人員を含む)に加えて、理学療法士等を常勤換算で1以上配置し、届け出る
- 「理学療法士等」は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、保育士(保育士として5年以上児童福祉事業に従事した者)、児童指導員(児童指導員として5年以上児童福祉事業に従事した者)、心理担当職員、視覚障害児支援担当職員
- 保育士・児童指導員の5年は、資格取得または任用からの児童福祉事業の経験で数える。特別支援学校・特別支援学級・通級による指導での教育の経験は含まれない(留意事項通知)。幼稚園は含まれる(Q&A VOL.1 問15)
- 常勤で配置した専門職が病気や有給休暇で休んでも要件は満たすが、欠勤などが1か月以上続くと要件を満たさなくなる(Q&A VOL.1 問14)
- 個別支援計画を作成していない子どもには算定できない(報酬告示で、個別支援計画の未作成による減算を算定しているときは加算しない)
児童指導員等加配加算の経験年数(児童福祉事業等の従事経験)とは数え方が違います。加配加算で「経験5年以上」として届け出た職員を、そのまま専門的支援体制加算の要件者として扱えるとは限りません。
専門的支援実施加算:計画にもとづく個別の支援(150単位/回)
要件
留意事項通知と令和6年度改定のQ&Aで、次のとおり定められています。
- 理学療法士等を1以上配置する。常勤換算でなく単なる配置で可。基準の人員や、児童指導員等加配加算・専門的支援体制加算で加配している人員でもよい
- 理学療法士等が、個別支援計画を踏まえ、専門性にもとづく評価と、5領域のうち特定(または複数)の領域に重点を置いた支援を行うための専門的支援実施計画を作成する
- 計画の作成・見直しにあたって、子どもと保護者に説明し、同意を得る
- 支援は個別が基本。ニーズを踏まえた支援を確保したうえで、小集団(5名程度まで)や、基準の人員を配置したうえでの小集団の組み合わせでも可
- 1回の支援は、同日の支援時間の全部である必要はないが、30分以上
- 子どもごとに、支援した日時と内容の要点を記録する
- 計画の実施状況を把握し、必要に応じて計画を見直す
専門的支援実施計画には、Q&A VOL.1 問16で次の項目の記載が想定されています。
- 専門職によるアセスメントの結果
- 5領域との関係で、特に支援を要する領域
- 専門的な支援で目指す達成目標
- 目標を達成するための具体的な支援の内容
- 支援の実施方法
計画は個別支援計画とは別に作成します。
月の算定上限
| サービス | 対象児の月利用日数 | 上限 |
|---|---|---|
| 児童発達支援 | 12日未満/12日以上 | 4回/6回 |
| 放課後等デイサービス | 6日未満/12日未満/12日以上 | 2回/4回/6回 |
上限は事業所ごとに数えます。ほかの事業所と通算しません(令和6年度改定Q&A VOL.5・令和6年6月6日 問4)。
算定できない場合
- 外部の法人から派遣された専門職による支援(Q&A VOL.3 問9)
- 児童発達支援管理責任者が欠如している期間(Q&A VOL.4 問1)
- 個別支援計画の未作成による減算を算定しているとき(報酬告示)
- 共生型の事業所で、共生型サービス体制強化加算のイまたはロ(児童発達支援管理責任者を配置した場合の区分)を算定していないとき(報酬告示)
児童発達支援管理責任者の欠如は、この加算だけでなく基本報酬の減算にもつながります。欠如したときの扱いは児童発達支援管理責任者の欠如減算で整理しています。
記録と個別支援計画への位置付け
加算ごとに、個別支援計画・同意・記録のどこに何を残すかを整理すると次のとおりです。
| 加算 | 計画・同意 | 残す記録 |
|---|---|---|
| 個別サポート(Ⅰ) | ― | 市町村の判定(受給者証の記載など)、放デイ+30単位は研修修了証と支援の記録 |
| 個別サポート(Ⅱ) | 個別支援計画に位置付け、保護者の同意 | 連携先機関等と双方で共有した文書(6か月に1回以上) |
| 個別サポート(Ⅲ) | 学校と連携して作成した個別支援計画、保護者の同意 | 学校との情報共有の記録(月1回以上、学校にも共有)、家族への相談援助の記録(月1回以上) |
| 専門的支援体制加算 | 個別支援計画の作成(未作成の子どもは算定不可) | 勤務形態一覧表、資格証、5年の経験を示す実務経験証明 |
| 専門的支援実施加算 | 専門的支援実施計画(個別支援計画とは別)、子どもと保護者の同意 | 子どもごとの日時・支援内容の要点、実施状況の把握と見直し |
算定漏れと返還を招く落とし穴
算定漏れにつながりやすい点
- 児童発達支援の個別サポート加算(Ⅰ)を、令和6年度改定前の感覚で見送っている。 身体障害者手帳1・2級、療育手帳の最重度・重度、精神障害者保健福祉手帳1級の子どもは対象です。内部障害も含みます。
- 放課後等デイサービスで、基礎研修の修了者がいるのに+30単位を届け出ていない。 研修の修了と届出がそろわないと算定できません。
- 専門的支援実施加算は基準の人員でもよいことを知らない。 常勤換算の加配は不要で、基準の人員の保育士・児童指導員(5年要件あり)でも、計画と記録がそろえば算定できます。
返還につながりやすい点
- 個別サポート加算(Ⅱ)の共有記録が、事業所のメモだけ。 連携先機関等と双方で共有している文書でなければ対象になりません。
- 専門的支援実施計画を個別支援計画の中に書いている、または同意がない。 別に作成し、同意を得る必要があります。
- 専門的支援実施加算で、30分未満の支援や記録のない日を算定している。
- 専門的支援体制加算の要件者の経験年数を、児童指導員等加配加算と同じ数え方で判断している。 特別支援学校などでの教育の経験は含まれません。
- 専門職の長期休職に気づかずに体制加算を算定し続ける。 1か月以上の欠勤などで要件を満たさなくなります。
- 個別支援計画の更新が遅れた子どもに体制加算・実施加算を算定している。
運営指導でどの書類を見られるかは、運営指導の準備にまとめています。届出の様式・時期や、市町村の判定の手続きは指定権者によって運用が異なります。迷う場合は、算定する前に指定権者に確認してください。
令和8年度の改定で変わったこと
令和8年度障害福祉サービス等報酬改定(こども家庭庁のウェブサイトで公表されている改定事項の概要、令和8年2月18日)の主な内容は、処遇改善加算の拡充と、令和8年6月1日以降に新規指定を受けた児童発達支援・放課後等デイサービス事業所への応急的な報酬単価の設定です。個別サポート加算・専門的支援体制加算・専門的支援実施加算の単位数と要件は見直されておらず、令和6年度改定後の内容のままです。
新規指定の事業所の応急的な単価は基本報酬に適用されます。どの加算がこの扱いの対象外かは、令和8年度改定のQ&A VOL.1で示されています。新規に指定を受ける予定の事業所は、あわせて確認してください。
まとめ
- 個別サポート加算(Ⅰ)は、児童発達支援は手帳などで判定する著しく重度の子どもに120単位、放課後等デイサービスは市町村が認めた子どもに90単位(+30単位)または120単位
- 個別サポート加算(Ⅱ)は150単位。6か月に1回以上、双方で共有した文書が必要
- 個別サポート加算(Ⅲ)は放課後等デイサービスだけで70単位。学校との共有と家族への相談援助をそれぞれ月1回以上
- 専門的支援体制加算は、加配の人員に加えて理学療法士等を常勤換算1以上。保育士・児童指導員は資格取得後5年以上
- 専門的支援実施加算は150単位。個別支援計画とは別の計画、同意、30分以上、子どもごとの記録。外部の派遣職員や児童発達支援管理責任者の欠如中は算定できない
ほかの加算との組み合わせは、放課後等デイサービス・児童発達支援の加算一覧で全体を確認できます。


